コラム
2025.04.09
【完全版】ひとり親家庭の進路相談。費用・支援制度・体験談から成功へのステップを徹底解説!

こんにちは。ひとり親の方限定のトークアプリ「ペアチル」のライターチームです。
子どもの将来を考えるとき、進路選択は大きな岐路となります。特にひとり親家庭では、経済面や時間的制約などの課題と向き合いながら子どもの進路を考えることになるでしょう。この記事では、ひとり親家庭の親子が進路について相談し、より良い選択をするためのポイントを解説します。
目次
ひとり親家庭の進路相談|知っておくべき基礎知識
ひとり親家庭で子どもの進路を考える際には、特有の課題や活用できる制度について知っておくことが大切です。まずは基本的な知識から見ていきましょう。
ひとり親家庭が直面する進路選択の課題とは?
ひとり親家庭では、進路選択において一般家庭とは異なる課題に直面することがあります。これらの課題を認識することで、より効果的な対策を立てることができます。
経済的な制約と進路選択
経済的な制約は多くのひとり親家庭が直面する課題です。
- ひとり親家庭の平均年収は約243万円(厚生労働省「平成28年度全国ひとり親世帯等調査」より)
- 大学進学率は、全世帯平均が約70%であるのに対し、ひとり親家庭は約40%(文部科学省「平成30年度子供の学習費調査」より)
経済的な制約があると、「行きたい学校に進学できるだろうか」「教育ローンを組めるだろうか」といった不安が生じがちです。しかし、後述する奨学金や支援制度を活用することで、選択肢を広げることが可能です。
時間的な制約と情報収集の難しさ
ひとり親の方は、仕事と家事・育児を一人で担うため、時間的な余裕がなく、進路に関する情報収集が難しいことがあります。
「オープンキャンパスに連れていく時間がない」「進路相談会に参加できない」など、子どもの進路選択をサポートするための時間確保が課題となります。デジタルツールの活用や学校の先生との連携など、効率的な情報収集の方法を知ることが重要です。
精神的な負担と周囲のサポート
ひとり親家庭の子どもは、親への気遣いから「高い学費がかかる学校には行きたくない」と本音を言えなかったり、将来の責任を強く感じたりすることがあります。また親自身も、「子どもに十分な選択肢を与えられていない」という自責の念に駆られることもあるでしょう。
こうした精神的な負担を軽減するためには、親子のオープンなコミュニケーションと、学校や自治体、支援団体などの外部サポートを積極的に活用することが大切です。
ひとり親家庭が利用できる進路相談窓口
ひとり親家庭が進路について相談できる窓口は多数あります。それぞれの特徴を理解し、状況に応じて適切な窓口を選びましょう。
学校の進路指導
最も身近な相談先として、学校の進路指導を活用しましょう。
- 担任の先生や進路指導担当の先生に相談
- 三者面談の活用(事前に質問や相談したいことをメモしておくと効果的)
- 進路指導室の資料の利用(放課後や休み時間に子どもと一緒に訪れることも可能)
学校の先生方は生徒の状況をよく把握しており、適切なアドバイスが得られるでしょう。特に進路指導の先生は、様々な支援制度についても詳しいことが多いです。
自治体の相談窓口
お住まいの自治体では、ひとり親家庭向けの進路相談窓口を設けていることがあります。
- 各自治体のWebサイトで相談窓口を検索(例:「〇〇市 ひとり親 進路相談」)
- 電話相談、窓口相談、オンライン相談など、利用可能な方法を確認
- 受付時間、予約の有無などを確認
自治体の窓口では、地域特有の支援制度や奨学金についての情報も得られるため、地元での進学や就職を考えている場合に特に役立ちます。
民間の支援団体(NPOなど)
ひとり親家庭を支援するNPO団体なども、進路相談に対応していることがあります。
- ひとり親家庭サポート団体全国協議会
- しんぐるまざあず・ふぉーらむ
これらの団体では、同じ境遇の親子の体験談や具体的なアドバイスが得られることもあります。また、親同士の交流の場として活用することも可能です。
進路相談前に準備しておくこと
進路相談をより効果的に行うには、事前の準備が大切です。
子供の興味関心、適性の把握
子どもが何に興味を持ち、どんな能力に長けているかを把握しておくことで、より具体的な進路相談ができます。日常の会話の中で子どもの好きなことや得意なことを観察しておきましょう。また、学校で行われる適性検査の結果なども参考になります。
将来の目標設定
具体的な将来像がある場合は、それに向けてどのような進路選択が適切かを考えます。目標がまだはっきりしていない場合は、いくつかの可能性を想定して準備することも大切です。「とりあえず大学に行く」という漠然とした目標ではなく、「なぜその進路を選ぶのか」という理由を考えておくことが重要です。
必要な情報をリストアップ
相談の際に聞きたいことを事前にリストアップしておくと、限られた時間を有効に使えます。例えば、
- 志望校の入試情報(日程、科目、配点など)
- 学費や奨学金に関する情報
- 就職率や資格取得率などの進学後の見通し
- ひとり親家庭向けの支援制度
などをまとめておくと良いでしょう。
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ひとり親家庭の進路相談|親子で進路を考えるために大切なこと
ひとり親家庭での進路選択では、親子が協力して取り組むことが成功への近道です。互いを尊重しながら進路を考えるためのポイントをご紹介します。
子どもの意思を尊重し、傾聴する
子どもの希望や意見に耳を傾けることは、進路選択において最も大切な基本姿勢です。
子どもの話を聴くことの重要性
子どもの話に真剣に耳を傾けることで、子どもは「自分の考えが尊重されている」と感じ、より積極的に進路について考えるようになります。
以下は、子どもの話を聴くときの親の応答例です:
効果的な応答 | 避けるべき応答 |
---|---|
「それで、どう思ったの?」 | 「そんな考えは現実的じゃない」 |
「もっと詳しく教えてくれる?」 | 「私の時代とは違うね」 |
「なるほど、○○に興味があるんだね」 | 「でも、お金がかかるよ」 |
一方的に進路を決めない
親の経験や知識から「この進路が良い」と考えることはあるでしょう。しかし、親の希望を押し付けると、子どもの主体性や意欲を損なう恐れがあります。
最終的な決断は子ども自身が行うものであり、親はその過程をサポートする立場であることを忘れないようにしましょう。「これが正解」と決めつけるのではなく、様々な選択肢とその長所・短所を一緒に考えることが大切です。
アドラー心理学から学ぶ、子供の課題との向き合い方
アドラー心理学では、「子どもの課題は子ども自身のものである」という考え方があります。進路選択も子ども自身の課題であり、親が肩代わりするのではなく、子どもが自分で考え、決断する力を育むことが重要です。
親は「答えを与える人」ではなく「一緒に考える人」という立場で接することで、子どもの自己決定力と責任感を育てることができます。
親子で情報収集し、視野を広げる
進路選択の幅を広げるためには、多角的な情報収集が欠かせません。ひとり親家庭では時間的制約もありますが、効率的に情報を集めることが可能です。
資料集めやネット検索
インターネットは膨大な進路情報を得られる貴重なツールです。以下のようなサイトを活用しましょう:
- マナビジョン – 学校情報や入試情報、奨学金情報などが充実
- リクナビ進学 – 体験談や口コミも参考になる
- Benesse進路ナビ – 適性診断から学校探しまで幅広くサポート
ただし、インターネット上の情報は古かったり、偏っていたりすることもあるため、複数の情報源で確認することが大切です。
子供が情報収集しやすい環境
子どもが自分で情報を探せるような環境を整えることも重要です。具体的には以下のような環境が整っていると望ましいでしょう:
- 自宅のPCやタブレットでインターネット検索ができるようにする
- 学校や図書館の進路資料コーナーを利用するよう促す
- 進学情報誌や学校案内を入手し、自宅に置いておく
子ども自身が情報収集する力を身につけることは、将来的にも大きな財産になります。
オープンキャンパス、説明会
実際に学校を訪問することで得られる情報は貴重です。忙しい中でも、可能な限りオープンキャンパスや説明会に参加しましょう。
すべての学校を訪問するのが難しい場合は、最終候補に残った2〜3校に絞って訪問するなど、効率的な計画を立てることも一つの方法です。また、子どもだけで参加させる場合は、前もって質問したいことをメモしておくようアドバイスしておくと良いでしょう。
前向きな姿勢と対話を保つ
進路選択の過程では、親子間の良好なコミュニケーションが不可欠です。特に、前向きな姿勢で対話を続けることが大切です。
否定的な発言を避ける
経済的な理由などから、子どもの希望をすぐに否定してしまいがちですが、否定的な言葉は子どもの意欲や可能性を狭めてしまいます。
否定的な発言を言い換える例:
否定的な言い方 | 前向きな言い換え |
---|---|
「その大学は学費が高すぎて無理」 | 「学費は高いけど、奨学金や教育ローンについても調べてみよう」 |
「その職業は将来性がない」 | 「その分野の将来性や、必要なスキルについても一緒に調べてみよう」 |
「そんな難しい学校は合格できない」 | 「レベルは高いけど、どんな対策が必要か考えてみよう」 |
子どもの意見や感情に共感する
子どもの気持ちや考えを受け止め、共感することで、子どもは安心して自分の思いを表現できるようになります。
「それは大変だね」「不安な気持ち、よくわかるよ」などの言葉をかけることで、子どもは親が自分の味方だと感じ、より率直に進路の悩みを相談できるようになるでしょう。
経済的な問題の解決策を一緒に探す
経済面での不安は正直に伝えつつも、「だから無理」と諦めるのではなく、「どうすれば実現できるか」を一緒に考える姿勢が重要です。
奨学金や教育ローン、アルバイトとの両立など、様々な選択肢を一緒に検討することで、子どもも現実的な視点を持ちながら、夢を追い続けることができます。
日頃から子供をほめ、励ます
子どもの自信と意欲を育むためには、日常的な声かけが大切です。
勉強や挑戦への意欲サポート
「頑張っているね」「少しずつ成長しているね」など、プロセスを認める言葉かけは、子どもの学習意欲を高めます。テストの点数だけでなく、日々の努力や工夫を認めることで、子どもは自信を持って進路選択に臨むことができるでしょう。
子供の良い点、努力を認める
子どもの強みや特徴を具体的に伝えることで、自己肯定感が高まります。
- 「あなたは人の気持ちに敏感だから、接客業も向いているかもしれないね」
- 「細かいことに気づくところが素晴らしいね。研究職に向いているかも」
このように具体的に子どもの良さを伝えることで、自分の適性に合った進路を考えるヒントにもなります。
肯定的な声掛けで安心感を
「何を選んでも応援するよ」「一緒に考えていこうね」といった言葉は、子どもに大きな安心感を与えます。ひとり親家庭の子どもは親に迷惑をかけたくないという思いから、本当の希望を言い出せないことがあります。「あなたの幸せが私の幸せ」というメッセージを伝え続けることが大切です。
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ひとり親家庭の進路相談|具体的な進め方と実践方法
ひとり親家庭での進路相談を効果的に進めるための具体的な方法をご紹介します。日々の関わり方から計画的なアプローチまで、実践的なポイントを押さえましょう。
“壁打ち相手”になる
子どもが自分の考えを整理するには、考えを声に出して「壁打ち」することが効果的です。親はその最適な相手になれます。
子どもの話し相手になることの効果
子どもが進路について話すことで、自分の考えが整理され、新たな気づきが生まれることがあります。親は答えを出す必要はなく、子どもの話に耳を傾け、時に質問を投げかけるだけでも大きな助けになります。
例えば、「なぜその学校に興味があるの?」「その仕事のどんなところに魅力を感じる?」といった質問は、子ども自身の考えを深める機会になります。
子供の興味を深める対話
子どもが興味を示したことについて、さらに掘り下げる会話を心がけましょう。例えば、「プログラミングに興味がある」と言った場合、
- 「どんなプログラムを作りたいの?」
- 「プログラミングのどんなところが面白いと思う?」
- 「プログラマーになるにはどんな勉強が必要か調べてみよう」
このような対話を通じて、子どもの漠然とした興味がより具体的な進路イメージにつながることがあります。
親が積極的に耳を傾け質問
忙しい日常の中でも、子どもの話に集中して耳を傾ける時間を作りましょう。食事の時間や寝る前のひとときなど、日常の中で対話の機会を意識的に設けることが大切です。
また、子どもからの相談がなくても、「最近、将来のことで考えていることはある?」「学校の進路指導で何か興味深い話はあった?」などと、親から進路について話題を振ることも効果的です。
早めに計画し、行動する
進路選択は一朝一夕にできるものではありません。早めの準備と計画的な行動が重要です。
高校進学の場合、高1からの準備
高校進学を考える場合、中学1年生から準備を始めることが理想的です。志望校を決めるだけでなく、入試に必要な学力を身につけるための計画も立てる必要があります。
中学1年:基礎学力の定着と自分の興味関心の探索
中学2年:志望校候補の情報収集、模試などでの実力確認
中学3年:志望校の絞り込み、受験対策の本格化
このように段階的に準備を進めることで、焦りなく進路選択ができます。
早めの情報収集、オープンキャンパス
学校説明会やオープンキャンパスは早めに参加しましょう。最終学年になってから慌てて参加するよりも、前の学年から参加しておくと、比較検討する時間が十分に取れます。
また、早めに情報収集することで、必要な準備(特定の科目の強化、資格取得など)も計画的に進められます。
受験準備に集中できる環境
受験直前期には、子どもが勉強に集中できる環境を整えることも大切です。ひとり親の忙しさの中でも、以下に挙げるポイントは心がけましょう。
- 自宅での静かな勉強スペースの確保
- 受験期の家事分担の見直し
- 精神的なプレッシャーをかけすぎない配慮
また、図書館や自習室など、自宅以外の勉強場所の情報も把握しておくと良いでしょう。
学校や専門家と連携する
ひとり親家庭の進路相談では、学校や専門家との連携がより重要になります。
学校の先生と良好な関係
担任の先生や進路指導の先生とは、日頃から良好な関係を築いておくことが大切です。保護者会や三者面談だけでなく、必要に応じてメールや電話で相談することも検討しましょう。
「ひとり親で時間がとりにくい」ということも正直に伝え、効率的な相談方法について相談することもできます。多くの先生は柔軟に対応してくれるでしょう。
面談や三者面談での相談
学校で行われる面談は貴重な機会です。事前に子どもと相談し、聞きたいことをリストアップしておくと効果的です。また、面談の内容を録音(先生の許可を得て)することで、後から振り返ることもできます。
面談では「ひとり親家庭でも利用できる支援制度」について具体的に質問すると、有益な情報が得られることがあります。
塾講師など他の専門家へ相談
通塾している場合は、塾の講師も重要な相談相手になります。学校の先生とは異なる視点からのアドバイスが得られることもあります。
また、自治体やNPOが提供するキャリアカウンセリングなども積極的に活用すると良いでしょう。専門家の客観的な視点は、親子だけでは気づかない選択肢を提示してくれることがあります。
親も知識をアップデートする
子どもの進路をサポートするためには、親自身も最新の教育制度や就職事情について知識を更新することが大切です。
大学入試制度や職業動向
大学入試制度は近年大きく変わっています。従来の一般入試だけでなく、総合型選抜(旧AO入試)や学校推薦型選抜など、多様な入試方式について理解しておくことが重要です。
また、職業の世界も急速に変化しています。AIやロボティクスの発展により、将来なくなる職業や新たに生まれる職業についての情報も把握しておくと、子どもの進路選択の幅が広がります。
インターネットやSNSで情報収集
教育関連のWebサイトやSNSアカウントをフォローすることで、最新情報を効率的に収集できます。例えば以下のようなものがおすすめです:
- 文部科学省や日本学生支援機構の公式サイト
- 教育系ニュースサイト(リセマム、教育新聞オンラインなど)
- 進路アドバイザーやキャリアカウンセラーのSNSアカウント
これらの情報源をチェックする習慣をつけることで、子どもに提供できる情報の質と量が向上します。
親子で一緒に調べる
情報収集を親子で行うことには、大きなメリットがあります。子どもは情報の探し方を学べますし、親子で同じ情報を共有することで、より建設的な対話ができるようになります。
「今日は30分だけ一緒に○○について調べてみよう」など、短時間でも定期的に一緒に情報収集する時間を作ることをおすすめします。
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ひとり親家庭の進路相談|進学後の経済的支援
ひとり親家庭での進学には経済的な不安がつきものですが、様々な支援制度を活用することで、子どもの可能性を広げることができます。ここでは、主な経済的支援について解説します。
奨学金制度
奨学金は進学の大きな支えとなります。種類や特徴を理解して、最適な制度を選びましょう。
日本学生支援機構(JASSO)の奨学金
最も規模の大きい奨学金制度です。主に以下の種類があります:
- 給付型奨学金:返済不要の奨学金。家計基準や学力基準があり、ひとり親家庭は優先的に採用されることがあります。
- 第一種奨学金:無利子の貸与型奨学金
- 第二種奨学金:有利子の貸与型奨学金
高校3年生の春頃から申し込みが始まるため、早めに情報収集することが大切です。なお、家計急変(離婚など)で家計が苦しくなった場合は、随時申込も可能な場合があります。
地方自治体や民間団体の奨学金
お住まいの都道府県や市区町村独自の奨学金制度も多数あります。また、企業や財団などの民間団体が提供する奨学金もあります。これらは日本学生支援機構の奨学金と併用できることが多いため、積極的に探してみましょう。
地方自治体の奨学金は、地元の大学に進学する場合や、卒業後に地元で就職する場合に返済免除となるケースもあります。
給付型奨学金と貸与型奨学金の違い
奨学金には大きく分けて以下の2種類があります:
- 給付型:返済不要の奨学金。近年拡充されていますが、家計基準や学力基準が厳しい場合があります。
- 貸与型:卒業後に返済が必要な奨学金。無利子と有利子があります。
給付型が理想的ですが、基準を満たさない場合は貸与型も検討しましょう。返済計画をしっかり立てることが重要です。
申し込み方法と注意点
奨学金の申し込みは主に学校を通じて行います。高校在学中に申し込む「予約採用」と、大学入学後に申し込む「在学採用」があります。
申し込みには、収入証明書や戸籍謄本など多くの書類が必要です。特にひとり親家庭では、児童扶養手当証書のコピーなども求められることがあるため、早めに準備しましょう。
奨学金は返済が必要なものもあるため、借りられる金額の上限ではなく、必要最小限の金額を借りるという考え方も大切です。
教育ローン
奨学金だけでは不足する場合、教育ローンの利用も検討できます。
国の教育ローン(日本政策金融公庫)
公的な教育ローンで、比較的低金利で借りられます。以下の特徴があります:
- 融資額:学生1人につき350万円まで
- 金利:年1.65%(2023年5月現在、固定金利)
- 返済期間:最長15年
- ひとり親家庭は金利の引き下げ対象となる場合あり
収入に関する基準があり、年収が高すぎると利用できないこともありますが、ひとり親家庭は基準が緩和されることがあります。
民間の教育ローン
銀行や信用金庫などが提供する教育ローンもあります。国の教育ローンと比べると金利が高い傾向にありますが、審査基準や融資条件は機関によって異なります。
国の教育ローンの審査に通らなかった場合や、より高額の融資が必要な場合は、民間の教育ローンも選択肢に入れましょう。
金利、返済期間、保証人などの比較
教育ローンを選ぶ際のポイントは以下の通りです:
- 金利:固定金利か変動金利か、金利の高さ
- 返済期間:長いほど月々の負担は減るが総返済額は増える
- 保証人の要否:保証人が必要ない商品もある
- 繰上返済の手数料:余裕ができたときに繰上返済できるか
- 保険の有無:返済中の病気や事故に備えた保険が付いているか
複数の金融機関の商品を比較し、自分の状況に最適なものを選びましょう。
その他の経済的支援
奨学金や教育ローン以外にも、様々な支援制度があります。
授業料減免制度
多くの大学では、家計の状況や学業成績に応じて授業料を減免する制度を設けています。減免率は大学によって異なりますが、全額免除となるケースもあります。
国立大学では、高等教育の修学支援新制度により、一定の条件を満たすと授業料と入学金の減免を受けられます。私立大学でも同様の制度や、大学独自の減免制度があります。
入学金免除制度
入学時の大きな負担となる入学金についても、免除や減額の制度がある大学があります。特に国公立大学では、高等教育の修学支援新制度による入学金減免が適用されることがあります。
また、兄弟姉妹が同じ大学に在学している場合に入学金が減免される大学もあります。
自治体独自の支援制度
都道府県や市区町村独自の支援制度も見逃せません。例えば:
- ひとり親家庭の子どもの修学資金貸付制度
- 地域の人材育成を目的とした給付型奨学金
- 特定の職業(医師、看護師、教員など)を目指す学生への支援制度
お住まいの自治体の公式サイトや、福祉課、教育委員会などに問い合わせてみましょう。
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ひとり親家庭の進路相談|就職支援について
大学や専門学校への進学だけでなく、高校卒業後の就職も重要な選択肢です。ひとり親家庭の子どもが就職を選ぶ場合の支援や相談のポイントを解説します。
就職活動の基本
高校卒業後の就職活動には、一般的な就職活動とは異なる特徴があります。まず、スケジュールが重要です。高校3年生の夏頃から企業の求人票が学校に届き始め、9月から応募・面接が本格化します。早めの準備が成功の鍵です。
就職活動では、高校の進路指導部が大きな役割を果たします。求人情報の提供、履歴書の書き方指導、面接対策など、多岐にわたるサポートを受けられるので、積極的に活用しましょう。
また、企業研究も重要です。安定性、将来性、労働条件、福利厚生などを比較検討し、長期的なキャリア形成を視野に入れた選択をすることが大切です。
ひとり親家庭が利用できる就職支援
ひとり親家庭の子どもが利用できる就職支援には以下のようなものがあります:
- ハローワークのユースエール認定企業:若者の採用・育成に積極的で、離職率が低く、残業時間が少ないなど、働きやすい環境が整っている企業
- 若者サポートステーション:厚生労働省が設置する若者の就労支援機関で、カウンセリングやセミナーなどを無料で利用可能
- ジョブカフェ:都道府県が設置する若者向けの就職支援施設
これらの支援機関では、履歴書の書き方や面接対策など基本的なサポートに加え、職場体験やインターンシップの機会も提供しています。
また、高卒就職と並行して専門的な資格取得を目指す場合、自治体によっては資格取得費用の補助制度を設けていることもあります。
就職に向けた進路相談
就職を希望する場合の進路相談では、以下のポイントを押さえましょう:
- 子どもの適性と興味を十分に把握する:無理に「安定した仕事」に押し込めるのではなく、長く続けられる仕事を見つけることが重要
- 業界研究と職種研究を丁寧に行う:表面的な情報だけでなく、実際の仕事内容や将来性についても調べる
- 卒業後も学び続ける姿勢を育てる:高卒で就職しても、夜間大学や通信制大学、資格取得など、学びの道は多様にある
また、インターンシップやアルバイト経験を通じて、実際の職場環境や仕事内容を体験することも有効です。短期間の体験でも、仕事のイメージを具体化するのに役立ちます。
そして、就職後のキャリアパスについても考えておくことが大切です。入社数年後にどのようなキャリアを築きたいのか、どのような資格や経験を積みたいのかを子どもと一緒に考えることで、より明確な目標を持って就職活動に臨めるでしょう。
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ひとり親家庭の進路相談|成功事例と失敗事例から学ぶ
実際のひとり親家庭の進路相談における成功事例と失敗事例から、効果的なアプローチを学びましょう。
成功事例
ひとり親家庭での進路選択がうまくいったケースから、具体的な成功要因を探ります。
親子で情報収集、志望校決定
【事例】シングルマザーのAさん(45歳)と高校生の息子(17歳)のケース
Aさんは仕事が忙しく、息子の進路相談に十分な時間を取れないことを悩んでいました。そこで、毎週土曜の夜に1時間だけ「進路会議」の時間を設け、その週に集めた情報を共有する習慣をつくりました。
息子は学校や図書館で集めた大学のパンフレットや、オープンキャンパスの感想を伝え、Aさんはインターネットで調べた奨学金情報や卒業生の就職状況などを共有しました。
この定期的な情報共有により、親子で同じ情報を基に話し合うことができ、最終的に息子の適性と将来性、家計の状況のバランスがとれた志望校を選ぶことができました。
話を丁寧に聴き信頼関係を構築
【事例】シングルファザーのBさん(50歳)と高校生の娘(16歳)のケース
Bさんの娘は芸術系の進路を希望していましたが、Bさんは就職の安定性を考え、最初は反対していました。しかし、娘の話に耳を傾け、なぜ芸術の道に進みたいのか、将来どんな仕事をしたいのかを丁寧に聴くようにしました。
また、娘の作品を見る機会を積極的に作り、娘の才能や情熱を理解しようと努めました。その結果、Bさんは娘の希望を尊重しつつも、デザインや広告など就職の道もある芸術系の学部を一緒に探すようになりました。
最終的に、就職率の高いデザイン学科のある大学に進学することになり、親子ともに納得のいく選択ができました。
親がサポート役に徹し資格取得
【事例】シングルマザーのCさん(42歳)と高校生の息子(18歳)のケース
Cさんの息子は高校卒業後すぐに就職を希望していました。Cさんは最初「大学に行ったほうがいい」と考えていましたが、息子の希望を尊重し、より良い就職のためのサポートに徹することにしました。
息子は自動車整備に興味があったため、高校在学中に自動車整備士の資格取得を目指すことになりました。Cさんは息子の勉強時間を確保するため家事を効率化し、試験対策のための参考書購入や、近隣の整備工場見学のアポイント取りなど、裏方のサポートに徹しました。
息子は無事に3級整備士の資格を取得し、整備士の研修制度が充実した企業に就職することができました。また、会社の支援で2級整備士の取得も目指すことになりました。
幅広い選択肢を提示
【事例】シングルマザーのDさん(38歳)と中学生の娘(15歳)のケース
Dさんの娘は成績が優秀でしたが、将来何をしたいか決められずにいました。Dさんは「これがいい」と一つの道を押し付けるのではなく、様々な選択肢があることを娘に示すことにしました。
地元の高校だけでなく、特色ある高校の文化祭や説明会にも積極的に参加しました。また、Dさんの友人や知人で様々な職業の人に協力を依頼し、職場訪問や仕事の話を聞く機会を作りました。
この過程で娘は国際協力に興味を持ち始め、英語教育に力を入れている高校に進学しました。将来は国際NGOでの仕事を視野に入れて勉強に取り組むようになりました。
失敗事例
うまくいかなかった事例からも、重要な教訓を学ぶことができます。
親の意向の押し付けによる挫折
【事例】シングルマザーのEさん(47歳)と息子(19歳)のケース
Eさんは自身が看護師として安定した収入を得ていたことから、息子にも医療系の道に進んでほしいと考えていました。息子は本来文系の科目が得意でしたが、Eさんの強い勧めで医学部を目指すことになりました。
しかし、息子は理系科目に苦手意識があり、勉強が思うように進まず、次第に自信を失っていきました。結果的に志望校に合格できず、浪人することになりましたが、モチベーションが上がらず、1年後も志望校に合格できませんでした。
最終的に息子は自分の興味のある文系学部に方向転換しましたが、2年のブランクと自信喪失により、大学生活への適応に苦労することになりました。
否定的な反応で子どもが相談しない
【事例】シングルファザーのFさん(44歳)と娘(17歳)のケース
Fさんは仕事が忙しく、娘の進路について話し合う時間が限られていました。娘が芸術大学への進学希望を伝えた際、Fさんは「芸術で食べていけるのか」「学費が高すぎる」と否定的な反応をしました。
その後、娘はFさんに進路の相談をしなくなり、自分一人で情報収集や受験準備を進めるようになりました。しかし、経験不足から志望校選びや受験対策に誤りがあり、結果的に不合格になってしまいました。
もし親子でオープンに対話し、共に情報収集していれば、より適切な対策や、場合によっては併願校の検討などもできたかもしれません。
経済的理由で進学を断念
【事例】シングルマザーのGさん(40歳)と息子(18歳)のケース
Gさんの息子は大学進学を希望していましたが、Gさんは経済的な理由から「大学は無理」と早い段階で伝えていました。しかし、実は様々な奨学金制度や授業料減免制度について十分な情報収集をしていませんでした。
息子は諦めて就職することにしましたが、後になって友人から「ひとり親家庭だと給付型奨学金がもらえた可能性がある」ことを聞き、情報不足のまま進路を決めてしまったことを後悔しました。
経済的な理由で諦める前に、利用可能な支援制度について徹底的に調査することが重要だったといえます。
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ひとり親家庭の進路相談|リスクと注意点
進路相談を進める上で注意すべきポイントや、避けるべき落とし穴について解説します。
親子だけで進路を抱え込まない
ひとり親家庭では、親子の結びつきが強い反面、視野が狭くなりがちです。第三者の視点を取り入れることが重要です。
第三者の視点を得る重要性
親と子だけで進路を考えると、互いに気を遣いすぎたり、逆に意見が対立したりすることがあります。また、情報や経験にも限りがあるため、視野が狭くなる恐れもあります。
学校の先生、親族、友人の保護者、キャリアカウンセラーなど、信頼できる第三者の意見を聞くことで、新たな視点や選択肢が得られることがあります。特に、子どもの適性や才能については、親だけでなく、学校の先生など客観的な視点からの評価も参考になります。
相談先リスト
以下は、進路について相談できる主な窓口です:
- 学校:担任、進路指導担当、スクールカウンセラー
- 公的機関:自治体の教育相談窓口、ハローワークのヤングコーナー
- 民間団体:ひとり親支援NPO、キャリアカウンセリングサービス
- 周囲の人:親族、信頼できる友人、先輩保護者
複数の相談先から意見を聞くことで、より多角的な視点から進路を検討できます。
進路相談のタイミングを逃す
進路選択は長期的なプロセスです。準備のタイミングを逃すと、選択肢が狭まってしまうことがあります。
早めの準備の必要性
進路選択には準備期間が必要です。例えば:
- 高校選びは中学2年生から情報収集を始めるのが理想的
- 大学進学を考える場合、高校1〜2年生から志望校を意識した科目選択や勉強が必要
- 奨学金の予約採用は高校3年生の春頃から始まる
忙しい日常の中で「まだ先のこと」と後回しにしがちですが、早めに行動することで、より多くの選択肢と準備時間を確保できます。
学校の進路行事やオープンキャンパスなどのイベントは、カレンダーに記入するなどして計画的に参加することをおすすめします。
子どもが相談しづらい雰囲気
ひとり親家庭では特に、子どもが親に負担をかけたくないという思いから、本当の希望や悩みを打ち明けられないことがあります。
親が感情的にならない
子どもの希望や考えに対して、即座に判断したり、感情的に反応したりすると、子どもは本音を言いにくくなります。特に、
- 「そんな学校は無理」
- 「その仕事では食べていけない」
- 「もっと現実的に考えなさい」
といった否定的な言葉は避けましょう。まずは子どもの話を最後まで聴き、共感的な反応を示すことが大切です。
子供の話を受け止める
子どもが進路について話してくれたときは、その勇気と信頼に応えることが重要です。
- 否定や批判をせずに聴く
- 質問を通じて子どもの考えを掘り下げる
- 「それはいいね」「なるほど」など肯定的な反応を示す
- アドバイスは求められてから行う
子どもが安心して相談できる雰囲気づくりを心がけましょう。
情報過多による混乱
現代は情報があふれています。多すぎる情報に振り回されないよう注意が必要です。
情報の精査
インターネットやSNSには膨大な情報がありますが、全てが正確とは限りません。情報を精査するポイントとして以下の観点が挙げられます:
- 情報源は信頼できるか(公式サイト、教育機関のサイトなど)
- 情報が最新のものか(特に入試制度や奨学金は変更が多い)
- 複数の情報源で確認できるか
不確かな情報で大切な決断をすることがないよう、情報の質に注意を払いましょう。
子供に合った判断
他の家庭の事例や一般的な統計データは参考になりますが、最終的には子ども自身の個性、能力、希望に合った判断をすることが大切です。
「〇〇大学に行けば安泰」「この職業が将来有望」といった一般論に流されず、子どもの特性や状況に合った選択を心がけましょう。
外部の情報は参考にしつつも、最終的には「この子にとって何が最善か」という視点で判断することが重要です。
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ひとり親家庭の進路相談|役立つツール/サービス/サイト
進路選択をサポートする便利なツールやサービス、情報サイトを紹介します。これらを活用することで、より効率的に情報収集や意思決定ができるでしょう。
進路適性テスト
子どもの適性や興味を客観的に把握するのに役立つツールです。
スタディサプリ「適職診断」
リクルートが運営する「スタディサプリ」の中にある適職診断ツールです。質問に答えるだけで、向いている職業や学問分野がわかります。無料で利用可能で、結果は詳細なレポートで確認できます。
マナビジョン「適職・適学診断」
学びの視点から適性を診断するツールです。興味関心や得意分野から、向いている学問や職業を診断します。大学や専門学校選びの参考になります。
これらの適性テストは絶対的なものではありませんが、子ども自身が自分の特性について考えるきっかけになります。また、親子で結果について話し合うことで、新たな発見があるかもしれません。
進路情報サイト
各種教育機関や職業に関する情報を得られるサイトです。
進路のミカタ
高校生向けの総合進路情報サイトです。大学・短大・専門学校の情報だけでなく、職業情報や入試対策なども充実しています。オープンキャンパス情報も検索できるため、実際に学校を訪問する際に役立ちます。
Benesse進路情報
ベネッセコーポレーションが運営する進路情報サイトです。教育のプロによる進路アドバイスや、学校選びのポイントなど、質の高い情報が得られます。保護者向けのコンテンツも充実しているため、親にとっても参考になります。
Shingaku.net
全国の専門学校、大学、短大の情報が集まるポータルサイトです。学費や取得可能な資格、就職状況など、学校選びに必要な情報を比較検討できます。地域別・分野別の検索機能も使いやすくなっています。
相談サービス
専門家や同じ立場の人に相談できるサービスです。
自治体オンライン相談
多くの自治体では、教育相談や進路相談をオンラインで受け付けています。対面での相談が時間的に難しい場合でも、メールやビデオ通話などで専門家に相談できるサービスです。お住まいの地域の教育委員会や福祉課のウェブサイトで確認してみましょう。
Yahoo知恵袋などQ&A
Yahoo知恵袋やOKWAVEなどのQ&Aサイトでは、進路に関する具体的な質問ができます。匿名で質問できるため、気軽に相談しやすいのが特徴です。ただし、回答の質にはばらつきがあるため、参考程度に留め、重要な判断は複数の情報源で確認することをおすすめします。
その他
上記のカテゴリに当てはまらないものの、役立つサービスやツールを紹介します。
明光義塾「明光プラス」
学習塾「明光義塾」が提供するオンライン学習サービスです。基礎学力の向上はもちろん、進路相談や学習相談も受けられます。塾に通う時間がない場合でも、オンラインで質の高い学習サポートが受けられるのが魅力です。
キャリア情報提供(Job Tag)
「Job Tag」は、10代向けのキャリア情報サイトです。様々な職業の実情や、その仕事に就くためのステップなどが紹介されています。中高生が将来の仕事をイメージするのに役立ちます。実際に働いている人のインタビューも掲載されており、リアルな職業観が養えます。
進路相談チェックリスト(ダウンロード可能)
進路相談を効果的に進めるためのチェックリストです。以下のリンクからダウンロードできます。
- 基本情報収集チェックリスト:志望校や職業に関する情報収集の項目をまとめたリスト
- 経済的支援確認リスト:利用可能な奨学金や支援制度をチェックするためのリスト
- 進路相談準備シート:学校の先生や専門家に相談する前に準備しておくべき事項
これらのチェックリストを活用することで、進路相談の抜け漏れを防ぎ、効率的に進めることができます。
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ひとり親家庭の進路相談|相談先一覧
進路について相談できる様々な窓口を紹介します。状況に応じて最適な相談先を選びましょう。
学校の先生・進路指導担当
最も身近で頼りになる相談先です。学校の先生方は、子どもの学校での様子を観察しており、適性や能力について客観的な意見を持っています。
- 具体的な相談方法
- 保護者会や三者面談の機会を活用する
- 電話やメールで面談の予約を取る
- 学校によってはLINEやメールでの質問も受け付けている
相談する際は、事前に質問したいことをまとめておくと効率的です。また、「ひとり親家庭であること」「経済的な支援が必要であること」などは、遠慮せずに伝えましょう。
学習塾・予備校の進路アドバイザー
学習塾や予備校にも、進路指導の専門家がいることが多いです。特に大手の学習塾では、豊富なデータに基づいたアドバイスが受けられます。
- 塾の選び方のポイント
- 進路指導の実績があるか
- 過去の合格実績はどうか
- ひとり親家庭向けの学費減免制度があるか
- 無料の進路相談会などを開催しているか
塾に通っていなくても、多くの学習塾では無料の進路相談を実施しています。地域の学習塾のウェブサイトやチラシで情報を確認してみましょう。
高校・大学の進路相談イベント
志望校候補の学校が開催する相談イベントも貴重な情報源です。
- イベント情報の探し方
- 各学校の公式ウェブサイト
- 進学情報誌やウェブサイト
- 在籍している学校の進路指導室
- 参加のメリット
- 実際の校風や雰囲気を感じられる
- 教員や在校生から直接話を聞ける
- 奨学金や学費支援について具体的に質問できる
オープンキャンパスや学校説明会には、可能な限り親子で参加することをおすすめします。子どもだけで参加する場合は、事前に質問したいことをメモしておくようアドバイスしましょう。
オンライン・電話相談
時間的な制約がある場合は、オンラインや電話での相談も便利です。
- 文部科学省や自治体の相談窓口
- 文部科学省「子どもの学び応援サイト」進路相談窓口
- 各都道府県の教育センターによる電話相談
- 自治体のひとり親支援窓口
これらの窓口は無料で利用できることが多く、専門的な知識を持ったスタッフが対応してくれます。受付時間や予約の要否については、各窓口のウェブサイトで確認しましょう。
民間キャリアカウンセラー
より専門的で個別化されたアドバイスが必要な場合は、民間のキャリアカウンセラーへの相談も選択肢です。
- キャリアカウンセラーの探し方
- 日本キャリア開発協会などの専門団体のウェブサイト
- 地域の就労支援センターでの紹介
- 口コミサイトや知人からの紹介
- 相談費用
- 1回30分〜1時間で3,000円〜10,000円程度
- 自治体によっては無料で利用できるカウンセリングもある
- オンラインカウンセリングは比較的リーズナブルな場合も
費用対効果を考慮し、必要に応じて利用を検討しましょう。特に、一般的な進路指導では解決しない特殊な事情や悩みがある場合に有効です。
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ひとり親家庭の進路相談|利用できる公的制度
ひとり親家庭が活用できる公的な支援制度について紹介します。これらの制度を知っておくことで、子どもの進路の選択肢が広がるでしょう。
自治体の進路相談事業
多くの自治体では、ひとり親家庭向けの進路相談事業を実施しています。
- 具体的な自治体名と事業内容(例)
- 東京都「ひとり親家庭支援センター」:進路相談や学習支援事業
- 大阪市「ひとり親家庭サポートセンター」:キャリアカウンセリングや学習支援
- 横浜市「ひとり親サポートよこはま」:教育相談や奨学金相談
これらのセンターでは、進路相談だけでなく、学習支援や経済的支援についての情報提供も行っています。お住まいの自治体の福祉課やひとり親支援窓口に問い合わせてみましょう。
高校生等奨学給付金
高校生等奨学給付金は、低所得世帯の高校生等に対する教育費の負担軽減を目的とした制度です。
- 制度の概要
- 返済不要の給付型支援
- 授業料以外の教育費(教科書費、教材費、学用品費など)を支援
- 対象者
- 高等学校等に在学する生徒がいる世帯
- 生活保護受給世帯または市町村民税所得割が非課税の世帯
- 給付額(2023年度の例)
- 国公立高校・生活保護世帯:年額約32,300円
- 国公立高校・非課税世帯:年額約110,100円〜129,700円
- 私立高校・生活保護世帯:年額約52,600円
- 私立高校・非課税世帯:年額約129,600円〜150,000円
申請方法は居住地の都道府県によって異なりますので、在学している高校の事務室や各都道府県の教育委員会に問い合わせてください。
母子父子寡婦福祉法による優先入所
ひとり親家庭の子どもは、様々な施設やサービスへの優先入所の対象となることがあります。
保育所、放課後児童クラブ優先
保育所や放課後児童クラブ(学童保育)では、ひとり親家庭の子どもを優先的に受け入れる制度があります。これにより、親が安心して働いたり学んだりする時間を確保することができます。
申請の際には、ひとり親家庭であることを申告し、必要に応じて児童扶養手当証書のコピーなどを提出します。
ひとり親家庭の子供の教育機会確保
一部の自治体では、ひとり親家庭の子どもに対する学習支援事業を行っています。例えば:
- 無料または低価格の学習教室
- 学習ボランティアの派遣
- オンライン学習サービスの提供
これらのサービスを利用することで、経済的な理由から塾に通えない子どもでも、学習をサポートしてもらえる機会が増えます。
職業体験・キャリア教育支援
キャリア形成を支援するための公的な取り組みについても紹介します。
- 文部科学省や厚生労働省の取り組み
- 「キャリア教育推進地域」指定事業:地域全体でキャリア教育を推進
- 「ジョブ・カード」制度:職業能力評価を通じたキャリア形成支援
- 「地域若者サポートステーション」:若者の就労を支援する拠点
これらの制度やサービスは、将来の職業選択に悩む子どもたちに、実際の職業体験や専門家によるアドバイスの機会を提供します。各地域の教育委員会やハローワークで情報を得ることができます。
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まとめ|ひとり親でも大丈夫!子どもの進路を一緒に考えよう
この記事では、ひとり親家庭における進路相談の重要性と具体的な方法について解説してきました。経済的な制約や時間的な課題はありますが、適切な情報収集と支援制度の活用、そして親子の信頼関係があれば、子どもの可能性を広げる進路選択が可能です。
- ひとり親家庭特有の課題を理解し、早めの準備と情報収集を心がける
- 子どもの意思を尊重し、親子のオープンなコミュニケーションを大切にする
- 学校の先生や専門家など、第三者の視点も積極的に取り入れる
- 奨学金や教育ローン、授業料減免制度などの経済的支援を活用する
- 自治体やNPOが提供するひとり親家庭向けの支援サービスを利用する
- 子どもの適性や興味を大切にしながら、長期的な視点で進路を考える
- 成功事例や失敗事例から学び、リスクを回避する方法を知っておく
子どもの進路選択は、親子の人生における大きな岐路です。「ひとり親だから選択肢が限られる」と諦めるのではなく、「どうすれば子どもの希望を実現できるか」という前向きな姿勢で取り組みましょう。まずは今日から、子どもとの対話を深め、一緒に将来について考える時間を作ってみてはいかがでしょうか。支援制度や相談窓口を積極的に活用し、親子で協力して進路選択を進めていくことが、子どもの明るい未来につながります。
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