コラム
2025.04.09
知って得する!シングルマザーのiDeCo活用術|将来の安心を自分でつくる

こんにちは。ひとり親の方限定のトークアプリ「ペアチル」のライターチームです。
経済的不安を抱えながら子育てするシングルマザーの方々にとって、iDeCo(個人型確定拠出年金)は将来への備えとなる強い味方です。子どもの教育費と自身の老後資金という二重の経済負担を抱えるシングルマザーこそ、早めにiDeCoを始めることで複利効果を最大限に活かせます。時間や家計に余裕がなくても無理なく続けられる制度設計で、公的支援制度と併用しながら将来の安心を築けます。今からコツコツと資産形成を始め、子どもと自分の将来に備えましょう。
目次
iDeCoって何? 制度の仕組みをわかりやすく解説!
iDeCoの魅力を理解するには、まず基本的な仕組みを知ることが大切です。税制優遇を受けながら老後資金を準備できる制度について、わかりやすく解説します。
iDeCoのキホン
個人型確定拠出年金って? わかりやすく解説
iDeCo(個人型確定拠出年金)は、自分で掛金を拠出し、運用する私的年金制度です。国民年金や厚生年金に上乗せする形で、老後の生活資金を準備できます。自分で積み立て、自分で運用し、60歳以降に受け取る仕組みになっています。
毎月決まった金額を積み立て、その資金で選んだ金融商品(投資信託など)を購入して運用します。運用で増えた資金も含めて、60歳以降に一時金や年金として受け取ることができるのです。
公的年金(国民年金、厚生年金)との違いは?
公的年金と iDeCo の違いを理解しておきましょう。
項目 | 公的年金(国民年金・厚生年金) | iDeCo(個人型確定拠出年金) |
---|---|---|
加入 | 強制加入 | 任意加入 |
保険料・掛金 | 定額または収入に応じて決定 | 自分で金額を決定(上限あり) |
運用 | 国が運用 | 自分で運用商品を選択 |
受取開始年齢 | 65歳から(原則) | 60歳から(原則) |
受取額 | 加入期間・納付額などにより決定 | 掛金と運用成績により決定 |
公的年金が「みんなで支え合う」制度なのに対し、iDeCoは「自分で準備する」制度だと言えます。
誰でも入れる? 加入資格をチェック!
iDeCoは、原則20歳以上65歳未満の国民年金被保険者であれば加入できます(2022年5月1日法改正)。具体的には次の方が対象です。
- 自営業者・フリーランス(国民年金第1号被保険者)
- 会社員・公務員(国民年金第2号被保険者)
- 専業主婦(夫)(国民年金第3号被保険者)
ただし、国民年金保険料を免除されている場合は、原則iDeCoに加入できません。また、企業年金に加入している会社員は、掛金の上限額が異なりますので注意が必要です。
ご自身が加入対象かどうか、iDeCo公式サイト(https://www.ideco-koushiki.jp/)で確認してみましょう。
iDeCoのメリットは?
掛金が全額所得控除! 節税効果は?
iDeCoの大きなメリットの一つが、掛金が全額所得控除になることです。所得控除とは、税金を計算する際に所得から差し引ける金額のことで、所得税・住民税が軽減されます。
例えば、年収300万円のシングルマザーが月1万円(年間12万円)をiDeCoに拠出した場合、所得税・住民税合わせて年間約2.4万円の節税になります(所得税率10%、住民税率10%で計算)。年収が高いほど、節税効果は大きくなります。
年収 | 月々の掛金 | 年間掛金総額 | 年間節税額(概算) |
---|---|---|---|
300万円 | 1万円 | 12万円 | 約2.4万円 |
400万円 | 1.5万円 | 18万円 | 約4.3万円 |
500万円 | 2万円 | 24万円 | 約7.2万円 |
この節税効果は、実質的に国から老後資金づくりの支援を受けているようなものですね。
運用益が非課税! 複利効果でどんどん増える
iDeCoのもう一つの大きなメリットは、運用で得た利益(運用益)が非課税になることです。通常、投資で得た利益には約20%の税金がかかりますが、iDeCoでは運用益に税金がかからないため、その分資産が効率よく増えていきます。
例えば、月1万円を30年間積み立てた場合(年利3%と仮定):
- 通常の投資:約480万円
- iDeCo:約580万円
非課税で複利効果が働くことで、長期間の運用ほど大きな差が生まれます。時間の味方を味方につけて、少額からでも早く始めることが重要です。
受取時も税制優遇! 退職所得控除、公的年金等控除
iDeCoは積立時だけでなく、受取時にも税制優遇があります。60歳以降、次の2つの方法で受け取ることができます。
- 一時金として受け取る場合:退職所得控除が適用されます
- 年金として受け取る場合:公的年金等控除が適用されます
特に加入期間が長い場合は、退職所得控除額が大きくなるため、一時金として受け取ると税金がかからないケースも多いです。年金として受け取る場合も、他の収入状況に応じて税負担が軽減されます。
受取方法は、60歳時点の資産状況や他の収入なども考慮して選択するとよいでしょう。
iDeCoの始め方、5ステップ
金融機関を選ぼう!(手数料、商品ラインナップを比較)
iDeCoを始めるには、まず取扱金融機関を選ぶ必要があります。選ぶポイントは主に次の3つです。
- 手数料:口座管理手数料、掛金拠出手数料など
- 商品ラインナップ:投資信託の種類、元本確保型商品の有無など
- サポート体制:相談窓口、情報提供サービスなど
特に商品ラインナップは金融機関によって大きく異なります。少額から始められる商品や、手数料の安い商品が充実しているかもチェックしましょう。
また、一部の金融機関では、シングルマザー向けの情報提供やサポートを行っているところもあります。ウェブサイトでの情報収集や問い合わせで確認してみてください。
口座開設の手続き(必要書類は?)
金融機関を選んだら、口座開設の手続きを行います。必要な書類は一般的に次のようなものです。
- 本人確認書類(運転免許証、パスポートなど)
- 基礎年金番号通知書(または年金手帳)
- マイナンバーが確認できる書類
- 口座振替用の銀行口座情報
多くの金融機関ではオンラインで申し込みができ、必要書類もスマホで撮影してアップロードするだけでOKというところが増えています。忙しいシングルマザーの皆さんでも、スキマ時間に手続きを進められますよ。
掛金を設定(いくらから始められる? 上限は?)
iDeCoの掛金は、月々5,000円以上、1,000円単位で設定できます。掛金の上限は加入者の職業や加入状況によって異なります。
- 自営業者:月額68,000円(年額81.6万円)
- 会社員:企業年金などによって異なるが、最大月額55,000円(年額66万円)
- 専業主婦(夫):月額23,000円(年額27.6万円)
- 公務員:月額12,000円
無理のない範囲で、節税効果を最大化できる金額を設定しましょう。最初は少額からスタートして、徐々に増やしていくというアプローチもおすすめです。
運用商品を選ぼう!(リスクとリターン、選び方のコツ)
iDeCoでは、選んだ金融機関が提供する運用商品の中から、自分で商品を選んで運用します。主な運用商品には次のようなものがあります。
- 元本確保型商品:定期預金、保険商品など(リスク低・リターン低)
- 投資信託:国内株式型、外国株式型、債券型、バランス型など(リスク・リターンさまざま)
運用商品を選ぶ際のポイントは、ご自身のリスク許容度に合わせることと、分散投資を心がけることです。例えば、リスクを抑えたい方は、元本確保型商品とリスクの低い債券型投資信託を組み合わせるといった方法があります。
投資初心者の方には、複数の資産に分散投資するバランス型投資信託や、年齢に応じて自動的に資産配分を調整してくれるライフサイクルファンドがおすすめです。
運用スタート!
口座開設、掛金設定、運用商品選択が完了したら、いよいよ運用がスタートです。掛金は毎月、指定した日に銀行口座から引き落とされ、選んだ運用商品で運用されます。
運用開始後は、定期的に(例えば3ヶ月に1回程度)運用状況を確認するとよいでしょう。多くの金融機関では、ウェブサイトやアプリで簡単に確認できます。
ただし、投資は短期的な値動きに一喜一憂せず、長期的な視点で見ることが大切です。市場が下落しても慌てずに、定期的な積立を続けることがポイントです。
iDeCoのデメリットも知っておこう
原則60歳まで引き出し不可… 本当に大丈夫?
iDeCoの大きなデメリットの一つが、原則として60歳まで資金を引き出せないことです。急な出費が必要になっても、基本的には引き出すことができません。
ただし、次のような特別な事由に該当する場合は、例外的に引き出し(脱退一時金の受給)が認められています。
- 障害給付金の受給権者となったとき
- 死亡したとき(遺族が受給)
- 国民年金保険料の全額免除または納付猶予を受けている方で、通算加入期間が3年以下など一定の要件を満たす場合
60歳まで引き出せないということを前提に、無理のない掛金設定をすることが大切です。緊急時のための資金(3〜6ヶ月分の生活費相当)は、普通預金や定期預金などで別に確保しておきましょう。
運用リスク、元本割れは?
iDeCoは自分で運用商品を選ぶため、選んだ商品によっては元本割れのリスクがあります。特に株式や債券に投資する投資信託は、市場の変動によって価値が上下します。
しかし、定期預金などの元本確保型商品を選ぶこともできるので、リスクを抑えた運用も可能です。自分のリスク許容度に合わせて、運用商品を選びましょう。
また、長期投資であれば、短期的な市場の変動に振り回されず、複利効果で資産を増やしていける可能性が高まります。iDeCoは老後資金を準備するための長期投資という視点で考えることが大切です。
手数料はどのくらいかかる?
iDeCoには、以下のような手数料がかかります。
- 加入時手数料:2,829円(税込)が一般的
- 毎月の口座管理手数料:167円(税込)程度
- 運用商品に関する手数料:商品によって異なる(信託報酬など)
近年は口座管理手数料を無料にしている金融機関も増えてきているので、コスト面を重視する場合は比較検討するとよいでしょう。
また、運用商品の手数料(信託報酬など)は商品によって大きく異なります。一般的に、インデックス型の投資信託は信託報酬が低く、アクティブ型は高い傾向があります。長期運用では手数料の差が大きな影響を与えるので、手数料の安い商品を選ぶことも検討しましょう。
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シングルマザー流! iDeCo活用術|無理なく、賢く、着実に
シングルマザーの皆さんがiDeCoを最大限に活用するためのポイントを、具体的にご紹介します。無理なく始めて、賢く運用し、着実に資産を増やしていくコツをお伝えします。
毎月の掛金、いくらがベスト?
家計を見直そう!(収入、支出、貯蓄)
iDeCoを始める前に、まずは現在の家計状況を正確に把握しましょう。1ヶ月の収入と支出を細かく分析し、どのくらいの金額なら無理なくiDeCoに回せるかを検討します。
- 収入の把握:給与、児童手当、児童扶養手当、養育費など、すべての収入を確認
- 支出の分析:固定費(家賃、光熱費、通信費など)と変動費(食費、交通費、教育費など)に分けて分析
- 貯蓄状況の確認:現在の貯蓄額と、緊急時のための資金(3〜6ヶ月分の生活費)が確保できているか確認
家計簿アプリ(マネーフォワード ME、Zaimなど)を活用すると、家計の「見える化」が簡単にできるのでおすすめです。クレジットカードや銀行口座と連携させれば、自動的に収支が記録されて便利ですよ。
無理のない金額設定が、継続のコツ!
iDeCoは長期的な視点で継続することが大切です。家計を圧迫するような高額な掛金設定をすると、途中で継続が難しくなる可能性があります。
まずは家計に余裕をもった金額からスタートし、慣れてきたら徐々に増額を検討するという方法がおすすめです。例えば、最初は最低額の月5,000円からスタートし、半年後に家計状況を見直して、余裕があれば8,000円や1万円に増額するといった方法です。
また、ボーナス月だけ掛金を増やす(例:通常月5,000円、ボーナス月1万円)といった設定はできませんので、毎月安定して拠出できる金額を設定しましょう。
最低掛金額は? 変更はできる?
iDeCoの最低掛金額は月々5,000円です。掛金額は年1回変更することができます。具体的には、加入者の誕生月の1ヶ月前から誕生月の末日までの間に変更を申し出ることで、誕生月の翌月から新しい掛金額が適用されます。
家計状況が変わった場合(収入が増えた・減った、子どもの教育費が増えたなど)は、掛金額の見直しを検討しましょう。また、一時的に掛金の拠出を停止することも可能です。
掛金の変更手続きは、加入している金融機関の窓口やウェブサイトで行えます。家計状況が厳しくなった場合は、早めに掛金の減額や拠出の停止を検討しましょう。
運用商品、どう選ぶ?
リスク許容度をチェック!(年齢、性格、資産状況)
運用商品を選ぶ際には、まず自分のリスク許容度(どの程度のリスクなら許容できるか)を把握することが大切です。リスク許容度は、年齢、性格、資産状況などによって異なります。
- 年齢:若いほどリスクを取れる余地が大きい(運用期間が長いため)
- 性格:投資の値動きにどの程度心理的な影響を受けるか
- 資産状況:貯蓄や収入の安定性など
例えば、30代のシングルマザーで、収入が安定していて、ある程度の貯蓄があり、投資の値動きにあまり動じないタイプであれば、株式の比率を高めに設定した積極的な運用も検討できます。
一方、40代後半で、収入が不安定で、貯蓄があまりなく、投資の値下がりにストレスを感じるタイプであれば、債券や元本確保型商品の比率を高めた、リスクを抑えた運用が適しているでしょう。
金融機関のウェブサイトで提供されているリスク許容度診断ツールを活用して、自分のリスク許容度を確認してみましょう。
分散投資でリスクを減らそう!
投資におけるリスクを減らす最も効果的な方法の一つが、分散投資です。「卵は一つのカゴに盛るな」ということわざがあるように、投資も一つの商品に集中させず、複数の商品に分散させることで、リスクを軽減できます。
分散投資の方法としては、次のようなものがあります。
- 資産クラスの分散:株式、債券、不動産など異なる資産に分散
- 地域の分散:日本、米国、欧州、新興国など異なる地域に分散
- 時間の分散:一度に大きな金額を投資せず、定期的に少額ずつ投資(ドルコスト平均法)
iDeCoは毎月一定額を積み立てる仕組みなので、自然と時間の分散ができています。さらに、資産クラスや地域の分散も意識して、複数の運用商品を組み合わせるとよいでしょう。
例えば、国内株式30%、先進国株式30%、新興国株式10%、国内債券15%、先進国債券15%といった具合に、複数の資産クラスや地域に分散投資することで、リスクを抑えながらリターンを追求できます。
ライフサイクルファンドって何?
ライフサイクルファンド(またはターゲットイヤーファンド)は、退職予定年齢に合わせて、自動的に資産配分を調整してくれる投資信託です。若いうちは株式の割合を多くして、年齢が上がるにつれて債券の割合を増やし、リスクを減らしていきます。
例えば「2045ターゲットイヤーファンド」は、2045年頃に退職する人向けの商品で、2023年時点では株式の割合が多めですが、2045年に近づくにつれて債券の割合が増えていきます。
ライフサイクルファンドのメリットは、自分で資産配分を考える必要がなく、年齢に応じた適切な資産配分に自動的に調整されることです。投資の知識や経験が少ない方や、運用に手間をかけたくない方におすすめです。
多くの金融機関がライフサイクルファンドを提供していますので、iDeCo口座を開設する際に確認してみましょう。
元本確保型商品、どんな時に選ぶ?
元本確保型商品は、元本割れのリスクが低い商品です。定期預金や保険商品(元本確保型)などがこれに該当します。リターン(利回り)は低いですが、安定性が高いのが特徴です。
次のような場合に、元本確保型商品を選ぶことを検討しましょう。
- リスクをできるだけ避けたい場合
- 運用期間が比較的短い場合(50代後半からiDeCoを始める場合など)
- 市場の変動に精神的なストレスを感じやすい場合
- 他の資産で積極的な運用をしていて、iDeCoではリスクを抑えたい場合
また、株式などのリスク性資産と元本確保型商品を組み合わせることで、ポートフォリオ全体のリスクを調整することもできます。例えば、「株式型投資信託70%+元本確保型商品30%」といった組み合わせで、リスクを適度に抑えることが可能です。
節税効果をシミュレーション!
所得税、住民税… どのくらい安くなる?
iDeCoの大きなメリットの一つが節税効果です。iDeCoの掛金は全額所得控除の対象となり、所得税・住民税が軽減されます。実際にどのくらい税金が安くなるのか、シミュレーションしてみましょう。
例えば、年収400万円のシングルマザーが、月1万円(年間12万円)をiDeCoに拠出した場合の節税効果は以下のようになります。
- 所得税の節税額:12万円 × 10%(所得税率) = 1.2万円
- 住民税の節税額:12万円 × 10%(住民税率) = 1.2万円
- 合計節税額:2.4万円
つまり、年間12万円を拠出すると、2.4万円の税金が安くなるので、実質的な負担は9.6万円(12万円 – 2.4万円)というわけです。20%のリターンが確定で得られるようなものと考えることもできます。
金融機関のウェブサイトやiDeCo公式サイトのシミュレーションツールを活用して、ご自身の節税額を確認してみましょう。
控除額の計算方法(具体例で解説)
iDeCoの掛金は「小規模企業共済等掛金控除」として、所得控除の対象となります。控除額の計算方法を具体的に解説します。
まず、課税所得の計算方法は次のとおりです。
- 収入 – 給与所得控除 = 給与所得
- 給与所得 – 各種所得控除(基礎控除、扶養控除、社会保険料控除、小規模企業共済等掛金控除など) = 課税所得
- 課税所得に税率をかけて税額を計算
例えば、年収400万円のシングルマザーが、月1.5万円(年間18万円)をiDeCoに拠出した場合:
【iDeCo拠出前】
- 給与収入:400万円
- 給与所得控除:134万円
- 給与所得:266万円(400万円 – 134万円)
- 所得控除(基礎控除、社会保険料控除など):100万円と仮定
- 課税所得:166万円(266万円 – 100万円)
- 所得税(5%):8.3万円(166万円 × 5%)
- 住民税(10%):16.6万円(166万円 × 10%)
【iDeCo拠出後】
- 給与収入:400万円
- 給与所得控除:134万円
- 給与所得:266万円(400万円 – 134万円)
- 所得控除(基礎控除、社会保険料控除など):100万円と仮定
- 小規模企業共済等掛金控除(iDeCo):18万円
- 課税所得:148万円(266万円 – 100万円 – 18万円)
- 所得税(5%):7.4万円(148万円 × 5%)
- 住民税(10%):14.8万円(148万円 × 10%)
【節税効果】
- 所得税の節税額:8.3万円 – 7.4万円 = 0.9万円
- 住民税の節税額:16.6万円 – 14.8万円 = 1.8万円
- 合計節税額:2.7万円
実際の税率や控除額は個人の状況によって異なりますので、詳細は税務署や税理士にご相談ください。
ライフプランに合わせて活用!
子どもの教育費、いつまでにいくら必要?
シングルマザーの皆さんにとって、子どもの教育費は大きな関心事でしょう。文部科学省「子供の学習費調査」によると、子ども1人当たりの教育費の目安は次のとおりです。
教育段階 | 公立 | 私立 |
---|---|---|
幼稚園(3年間) | 約80万円 | 約200万円 |
小学校(6年間) | 約320万円 | 約950万円 |
中学校(3年間) | 約150万円 | 約400万円 |
高等学校(3年間) | 約120万円 | 約300万円 |
大学(4年間) | 約500万円 | 約800万円 |
特に大学進学には多額の費用が必要なため、計画的な準備が重要です。iDeCoは原則60歳まで引き出せませんが、子どもの教育費と自身の老後資金をバランスよく準備することが大切です。
例えば、子どもの教育費の準備にはつみたてNISAや教育保険などを活用し、老後資金の準備にはiDeCoを活用するといった方法が考えられます。また、日本学生支援機構の奨学金や自治体の教育支援制度なども積極的に活用しましょう。
住宅購入の頭金にも使える?
残念ながら、iDeCoは原則として60歳まで引き出しができないため、住宅購入の頭金として活用することはできません。住宅購入を目的とする場合は、他の制度を検討しましょう。
例えば、財形住宅貯蓄は住宅購入・リフォームを目的とした貯蓄制度で、利子に税金がかからないメリットがあります。また、フラット35などの住宅ローンや、住宅ローン減税なども活用できます。
シングルマザーを対象とした住宅支援制度もありますので、お住まいの自治体の窓口で相談してみるとよいでしょう。
老後資金、いくら準備すれば安心?
老後資金はどのくらい必要なのでしょうか?金融庁の報告書では、公的年金以外に2,000万円程度の資産形成が必要と言われていますが、個人の生活スタイルや希望する老後の過ごし方によって大きく異なります。
まずは「ねんきん定期便」で将来の年金受給見込額を確認しましょう。その上で、老後の生活費を試算し、不足する分をiDeCoなどで準備する計画を立てます。
例えば、60歳から95歳まで35年間、毎月20万円の生活費が必要で、年金収入が月13万円と仮定すると、
- 不足額:月7万円(月20万円 – 月13万円)
- 35年間の不足総額:2,940万円(月7万円 × 12ヶ月 × 35年)
ただし、この金額はインフレや運用益を考慮していない単純計算です。より正確な試算には、FP(ファイナンシャルプランナー)に相談することをおすすめします。
iDeCoを活用する場合、例えば35歳から60歳まで25年間、月2万円を拠出し、年利3%で運用すると、60歳時点で約870万円の資産形成が可能です(税制優遇効果を除く単純計算)。これに公的年金を組み合わせることで、老後の安心につながります。
2,000名以上の全国のひとり親が使う、似た境遇のひとり親と繋がれるトークアプリ「ペアチル」について見てみる>>
ここが心配! シングルマザーのiDeCo 注意点と対策
iDeCoには多くのメリットがありますが、注意点もあります。シングルマザーの皆さんが安心してiDeCoを活用するために、気をつけるべきポイントとその対策をご紹介します。
他の制度も検討!
NISA、つみたてNISAとの違いは? どっちがお得?
iDeCoと並んで人気の資産形成制度が、NISA(少額投資非課税制度)とつみたてNISAです。それぞれの特徴を比較してみましょう。
項目 | iDeCo | つみたてNISA | 一般NISA |
---|---|---|---|
非課税対象 | 掛金、運用益、受取時 | 運用益 | 運用益 |
年間投資限度額 | 月5.5万円まで(会社員の場合) | 40万円 | 120万円 |
非課税期間 | 無期限 | 20年 | 5年 |
途中引出し | 原則60歳まで不可 | いつでも可能 | いつでも可能 |
商品ラインナップ | 金融機関による | 長期・積立・分散投資に適した商品 | 幅広い金融商品 |
どの制度が有利かは、個人の状況や目的によって異なります。
- iDeCo:所得控除による節税効果が大きいので、所得税・住民税の負担が大きい方に有利。ただし、60歳まで引き出せない。
- つみたてNISA:教育資金など、60歳以前に必要な資金の準備に適している。iDeCoほどの節税効果はないが、いつでも引き出せる。
- 一般NISA:まとまった資金を投資する場合や、短中期的な資金運用に適している。
これらの制度は併用することも可能なので、目的に応じて使い分けるのがベストです。例えば、子どもの教育資金はつみたてNISAで、自身の老後資金はiDeCoで準備するといった方法が考えられます。
個人年金保険、預貯金… 比較してみよう
老後資金の準備方法としては、iDeCo以外にも個人年金保険や預貯金などがあります。それぞれの特徴を比較してみましょう。
項目 | iDeCo | 個人年金保険 | 預貯金 |
---|---|---|---|
税制優遇 | 掛金全額所得控除、運用益非課税、受取時も優遇 | 一定額までの所得控除あり | なし(利子に20.315%課税) |
リスク | 運用商品による(元本割れの可能性あり) | 商品による(元本割れの可能性あり) | ほぼなし(元本保証) |
流動性 | 原則60歳まで引き出し不可 | 中途解約可(解約返戻金は元本を下回る場合あり) | いつでも引き出し可能 |
リターン | 運用商品による(株式投資で高リターンの可能性) | 商品による(現在は低金利が多い) | 極めて低い(年0.001%程度) |
それぞれに一長一短があるため、目的や状況に応じて使い分けることが大切です。
- iDeCo:税制優遇が手厚く、長期的な老後資金形成に適している。
- 個人年金保険:保障機能(死亡保障など)が付いているものもあり、計画的に積み立てたい方に適している。
- 預貯金:元本割れのリスクがなく、いつでも引き出せるため、緊急時の備えとして重要。
リスク分散の観点からも、これらを組み合わせてバランスよく資産形成を行うことが理想的です。また、お金の性質や目的に応じて、「使うお金」「備えるお金」「増やすお金」に分けて考えると、より明確な資産形成プランを立てられます。
リスクを理解する
元本割れも… リスク許容度を再確認!
iDeCoでは、選んだ運用商品によっては元本割れのリスクがあります。特に株式や債券などに投資する投資信託は、市場の変動によって価値が上下します。
自分のリスク許容度を再確認して、適切な運用商品を選びましょう。リスク許容度は、次のような要素で判断できます。
- 年齢と運用期間:若いほど長期運用が可能でリスクを取れる
- 収入と雇用の安定性:安定した収入があるほどリスクを取れる
- 緊急時の備え:十分な貯蓄があるほどリスクを取れる
- 精神的な要素:値動きにストレスを感じにくいほどリスクを取れる
リスクを過度に恐れると、インフレによる資産の目減りというリスクも生じます。特に長期の資産形成では、適度なリスクを取ることで、インフレに負けない運用を目指すことも大切です。
ただし、どの程度のリスクを取るかは個人の判断によります。自分の状況や性格に合わない運用商品を選ぶと、市場の下落時に慌てて売却してしまうなど、最悪の対応をしてしまう可能性があります。自分に合った運用方法を選ぶことが、長期的な資産形成の成功につながります。
長期的な視点で、じっくり運用
iDeCoは老後資金を準備するための長期投資です。短期的な市場の変動に一喜一憂せず、長期的な視点でじっくり運用することが大切です。
株式市場は短期的には大きく変動しますが、長期的に見れば上昇傾向にあることが歴史的に示されています。例えば、日経平均株価は1989年のバブル崩壊後に大幅下落しましたが、長期的には上昇傾向にあり、近年は過去最高値を更新しています。
定期的な積立投資(ドルコスト平均法)を行うことで、市場の高値・安値に関わらず平均的な価格で投資できるというメリットもあります。特に市場が下落している時は、同じ掛金でより多くの口数を購入できるため、長期的にはプラスに働くことが多いです。
大切なのは、「投資の時間軸」を意識することです。iDeCoは数年単位ではなく、10年、20年という単位で考える必要があります。短期的な市場の変動に惑わされず、長期的な資産形成を目指しましょう。
手数料を確認!
口座管理手数料、運用手数料… 意外とかかる?
iDeCoを運用する際にはさまざまな手数料がかかります。主な手数料は以下の通りです。
- 加入時手数料:口座開設時に一回だけかかる手数料(2,829円が一般的)
- 口座管理手数料:毎月かかる手数料(167円程度)※一部の金融機関では無料
- 運用商品の手数料:
- 投資信託の信託報酬(年率0.1%〜1.5%程度)
- 投資信託の購入時手数料(ノーロード=無料の商品が増えている)
- 元本確保型商品の手数料(商品によって異なる)
- 給付時手数料:年金や一時金を受け取る際の手数料
特に注意したいのは投資信託の信託報酬です。これは投資信託の運用資産から日々差し引かれるため、明示的には見えにくい手数料です。例えば、信託報酬が年率1%の場合、100万円の資産に対して年間1万円の手数料がかかります。
長期間の運用では、わずかな手数料の差も大きく影響します。例えば、30年間運用する場合、信託報酬が0.3%と1.0%では、最終的な資産額に20%以上の差が生じることもあります。投資信託を選ぶ際は、信託報酬の安いインデックスファンドを中心に検討するのもひとつの戦略です。
金融機関を比較! 手数料無料のところも
iDeCoを扱う金融機関によって、手数料やサービス内容は大きく異なります。特に近年は、競争の激化により口座管理手数料を無料にする金融機関も増えています。
金融機関を選ぶ際のポイントは以下の通りです。
- 口座管理手数料:無料か有料か
- 運用商品のラインナップ:
- 手数料の安いインデックスファンドがあるか
- ターゲットイヤーファンド(ライフサイクルファンド)があるか
- 元本確保型商品があるか
- 情報提供・サポート:運用のアドバイスや情報提供が充実しているか
- 利便性:ウェブサイトやアプリが使いやすいか
例えば、SBI証券、楽天証券、マネックス証券などのネット証券では、口座管理手数料が無料で、低コストのインデックスファンドも豊富に取り揃えています。一方、銀行や保険会社では、対面でのサポートが充実していることが多いです。
自分のニーズに合った金融機関を選ぶことで、長期的なコスト削減とより良い運用成果につながります。各金融機関のウェブサイトで情報を集め、比較検討してみましょう。
ライフイベントの変化に注意!
転職、離職、再婚… 手続きは?
シングルマザーの皆さんは、転職、離職、再婚など、さまざまなライフイベントの変化を経験する可能性があります。そんな時、iDeCoはどうなるのでしょうか?
- 転職した場合:
- 新しい勤務先が企業型DC(確定拠出年金)を導入していなければ、iDeCoを継続できます。
- 新しい勤務先が企業型DCを導入している場合、企業型DCに移行する、または企業型DCとiDeCoを併用するという選択肢があります(勤務先が併用を認めている場合)。
- いずれの場合も、必要な手続きがありますので、転職時には早めに金融機関に相談しましょう。
- 離職した場合:
- iDeCoは継続できますが、加入者の区分(第1号被保険者、第2号被保険者など)が変わる可能性があるため、手続きが必要です。
- 掛金の上限額も変わる可能性があります。
- 経済的に困難な場合は、掛金の減額や拠出の停止を検討しましょう。
- 再婚した場合:
- 基本的にiDeCoは継続できますが、旧姓で登録している場合は名義変更の手続きが必要です。
- 再婚により扶養に入る場合は、加入者の区分が変わるため、手続きが必要です。
いずれの場合も、変化があった場合はできるだけ早く、iDeCo加入先の金融機関に相談することをおすすめします。必要な手続きを怠ると、掛金の引き落としができなくなったり、税制優遇を受けられなくなったりする可能性があります。
収入が変化したら? 掛金を見直そう
シングルマザーの皆さんは、昇進や転職によって収入が増えたり、逆に減少したりすることもあるでしょう。収入が変化した場合は、iDeCoの掛金を見直すことを検討しましょう。
- 収入が増えた場合:
- 所得税・住民税の負担が大きくなるため、iDeCoの掛金を増やすことで節税効果を高められます。
- 余裕資金が増えるため、老後資金の準備を加速させることができます。
- 掛金の増額は年1回(加入者の誕生月の前月〜誕生月)可能です。
- 収入が減った場合:
- 生活が圧迫される可能性があるため、掛金の減額を検討しましょう。
- 一時的に掛金の拠出を停止することも可能です。
- 節税効果も減少するため、他の資産形成方法(つみたてNISAなど)とのバランスも考慮しましょう。
収入の変化だけでなく、子どもの成長に伴う教育費の増加や、住居費の変動なども、掛金見直しのタイミングになります。毎年の誕生月の前に、家計状況を見直し、適切な掛金額を検討する習慣をつけるとよいでしょう。
掛金の変更手続きは、加入している金融機関のウェブサイトや窓口で行えます。手続きは比較的簡単なので、状況に応じて柔軟に対応しましょう。
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困った時は… 専門家に相談! iDeCo相談窓口
iDeCoについて不安や疑問がある場合は、専門家に相談するのが一番です。シングルマザーの皆さんが活用できる相談窓口をご紹介します。
金融機関
iDeCoを取り扱う金融機関(銀行、証券会社など)
iDeCoを取り扱っている金融機関(銀行、証券会社など)では、iDeCoに関する相談を受け付けています。多くの金融機関では、無料で相談できるサービスを提供しています。
- 銀行:三菱UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行など
- 証券会社:SBI証券、楽天証券、マネックス証券など
- 信託銀行:三菱UFJ信託銀行、三井住友信託銀行など
- 保険会社:第一生命、住友生命、日本生命など
一部の金融機関では、シングルマザー向けの相談窓口や情報提供サービスを提供している場合もあります。金融機関のウェブサイトやコールセンターで、相談窓口を確認してみましょう。
窓口相談、電話相談、オンライン相談… どれがいい?
金融機関では、窓口相談、電話相談、オンライン相談など、さまざまな相談方法を用意しています。それぞれの特徴は以下の通りです。
- 窓口相談:
- メリット:対面で詳しく相談でき、資料を見ながら説明を受けられる
- デメリット:予約が必要な場合が多く、時間的制約がある
- 電話相談:
- メリット:自宅から気軽に相談でき、移動時間がかからない
- デメリット:資料を見ながらの説明が難しい場合がある
- オンライン相談:
- メリット:自宅から相談でき、画面共有で資料も確認できる
- デメリット:インターネット環境やPCなどの機器が必要
忙しいシングルマザーの皆さんには、時間や場所を選ばずに相談できるオンライン相談や電話相談が便利かもしれません。特に最近では、オンライン相談サービスを提供する金融機関が増えていますので、積極的に活用してみましょう。
ファイナンシャルプランナー(FP)
独立系FP、企業系FP… 違いは?
ファイナンシャルプランナー(FP)には、独立系FPと企業系FPがいます。それぞれの特徴は以下の通りです。
- 独立系FP:
- 特定の金融機関に所属せず、中立的な立場からアドバイスをしてくれる
- 相談料がかかる場合が多い(1時間5,000円〜10,000円程度)
- 幅広い金融商品の中から、最適なものを提案してくれる可能性が高い
- 企業系FP:
- 銀行や保険会社などの金融機関に所属している
- 相談料が無料の場合が多い
- 所属する金融機関の商品を中心に提案される場合がある
どちらが良いかは、相談の目的や予算によって異なります。中立的なアドバイスを求める場合は独立系FP、特定の金融機関の商品について詳しく知りたい場合は企業系FPがおすすめです。
信頼できるFPを選ぶためには、日本FP協会のウェブサイト(https://www.jafp.or.jp/)でFPを検索する方法があります。CFP®資格やAFP資格を持つFPは、一定の知識や倫理観を持っていると判断できます。
FP相談のメリット、デメリット
FPに相談するメリットとデメリットは以下の通りです。
- メリット:
- 専門的な知識や経験に基づいたアドバイスを受けられる
- ライフプラン全体を見据えた資産形成プランを立てられる
- 税金や社会保険など、幅広い分野について相談できる
- 客観的な視点からアドバイスをもらえる
- デメリット:
- 相談料がかかる場合がある(特に独立系FP)
- FPの知識や経験によって、アドバイスの質が異なる場合がある
- 企業系FPの場合、所属する金融機関の商品を勧められる場合がある
初めてFPに相談する場合は、初回相談無料のFPを探してみるのもよいでしょう。多くのFPが初回無料相談を実施しています。
また、相談前に自分の質問や相談内容をまとめておくと、限られた時間を有効に使えます。家計の状況(収入、支出、資産、負債など)や、将来の目標(子どもの教育プラン、老後のプランなど)を整理しておくとスムーズです。
その他
ねんきんダイヤル
日本年金機構が運営する、年金に関する電話相談窓口です。iDeCoについても基本的な質問に答えてくれます。
- 電話番号:0570-05-1165(ナビダイヤル)
- 受付時間:月曜日〜金曜日(午前8:30〜午後5:15)、第2土曜日(午前9:00〜午後4:00)
※祝日、年末年始を除く
ねんきんダイヤルでは、年金関連の質問(加入記録、将来の年金見込額など)も一緒に相談できるので、老後のライフプランを考える際に便利です。混み合う時間帯を避けて電話すると、スムーズに相談できますよ。
iDeCo公式サイト
iDeCo公式サイト(運営:国民年金基金連合会)には、iDeCoに関する情報が網羅されています。制度の解説、手続きの方法、よくある質問など、参考になる情報が豊富です。
- URL: https://www.ideco-koushiki.jp/
- 主なコンテンツ:
- iDeCoの仕組み、メリット・デメリット
- 加入条件、掛金の上限額
- 手続きの方法、必要書類
- Q&A、シミュレーションツール
まずは公式サイトで情報収集し、疑問点を整理してから相談窓口を利用するとスムーズです。特にシミュレーションツールは、掛金額や運用利回りを変えて、将来受け取れる金額を試算できるので、iDeCoを始める前に活用してみましょう。
国民年金基金連合会
国民年金基金連合会は、iDeCoの制度運営主体です。iDeCoに関する問い合わせに対応しています。
- 電話番号:03-5411-0211
- 受付時間:平日(午前9時〜午後5時)
制度の詳細について確認したい場合や、手続きに関する疑問がある場合に利用しましょう。ただし、個別の運用相談などは対応していないので、そのような相談は金融機関やFPを利用することをおすすめします。
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ひとり親家庭をサポート! iDeCoと併用できる制度
シングルマザーの皆さんがiDeCoと併用できる公的支援制度を紹介します。これらの制度を上手に活用することで、子育てと資産形成を両立させることができます。
児童扶養手当
児童扶養手当は、ひとり親家庭の生活の安定と自立の促進に寄与し、児童の福祉の増進を図ることを目的として支給される手当です。
- 対象者:父母の離婚などにより、父または母と生計を同じくしていない児童を養育している方
- 支給額(令和5年4月現在):
- 児童1人の場合:月額43,070円〜10,160円(所得に応じて変動)
- 児童2人の場合:上記+月額10,170円〜5,090円
- 児童3人目以降:1人につき月額6,100円〜3,050円を加算
- 支給期間:児童が18歳に達する日以後の最初の3月31日まで(児童に障害がある場合は20歳未満)
iDeCoの掛金は所得控除の対象となるため、児童扶養手当の所得制限の計算において有利に働く可能性があります。つまり、iDeCoに拠出することで所得が減少し、児童扶養手当の支給額が増える可能性があるのです。
ただし、児童扶養手当には所得制限があり、iDeCoの掛金拠出によって所得が減少しても、必ずしも手当が増額されるとは限りません。お住まいの市区町村の窓口で、iDeCoの掛金拠出による影響を確認しましょう。
児童手当
児童手当は、子育て家庭の生活の安定に寄与するとともに、次代の社会を担う児童の健やかな成長に資することを目的として支給される手当です。
- 対象者:中学校卒業まで(15歳の誕生日後の最初の3月31日まで)の児童を養育している方
- 支給額(令和5年4月現在):
- 3歳未満:月額15,000円
- 3歳以上小学校修了前:月額10,000円(第3子以降は15,000円)
- 中学生:月額10,000円
- 所得制限:所得制限限度額以上の場合、月額5,000円(特例給付)
児童手当は所得制限に関係なく支給されるため(所得制限を超えても特例給付あり)、iDeCoとの直接的な関係はありません。
ただし、児童手当をiDeCoの掛金に充当することで、子どもの成長を見据えた長期的な資産形成が可能になります。例えば、3歳以上の子ども2人がいる場合、月2万円の児童手当を受給できますので、その一部(例えば月5,000円)をiDeCoに回すという方法が考えられます。
ひとり親家庭等医療費助成制度
ひとり親家庭等医療費助成制度は、ひとり親家庭等の医療費の自己負担分の一部を助成する制度です。
- 対象者:ひとり親家庭の親と児童(18歳になった最初の3月31日まで、一定の障害がある場合は20歳未満)
- 助成内容:医療保険の自己負担分の一部または全部(自治体によって異なる)
- 所得制限:児童扶養手当の所得制限と同様の場合が多い(自治体によって異なる)
医療費助成制度は、iDeCoとは直接関係ありませんが、ひとり親家庭の経済的負担を軽減する上で重要な制度です。医療費の負担が軽減されることで、その分をiDeCoの掛金に回すことも可能になります。
制度の内容や対象者は自治体によって異なりますので、お住まいの市区町村のウェブサイトなどで制度の詳細を確認しましょう。
就学援助制度
就学援助制度は、経済的な理由で就学が困難な児童生徒の保護者に対し、学用品費や給食費などを援助する制度です。
- 対象者:生活保護を受けている世帯や、それに準ずる程度に困窮していると認められる世帯の児童生徒
- 援助内容:
- 学用品費、通学用品費
- 校外活動費、修学旅行費
- 給食費、医療費など
- 申請方法:学校または教育委員会に申請
就学援助制度は、iDeCoとは直接関係ありませんが、子どもの教育費負担を軽減する上で重要な制度です。教育費の負担が軽減されることで、その分をiDeCoの掛金に回すことも可能になります。
制度の内容や対象者は自治体によって異なりますので、お住まいの市区町村の教育委員会に問い合わせて、制度の詳細を確認しましょう。
【総合的なライフプランニングの提案】
シングルマザーの皆さんは、iDeCoだけでなく、利用可能な公的支援制度を最大限に活用し、総合的なライフプランを立てることが重要です。
- 家計の状況を把握し、無理のない範囲でiDeCoの掛金を拠出する
- 子どもの教育プランを立て、必要な資金を準備する(iDeCo、児童手当、奨学金などを活用)
- 自身の老後プランを立て、必要な資金を準備する(iDeCo、公的年金など)
- 利用できる公的支援制度(児童扶養手当、児童手当、ひとり親家庭等医療費助成制度、就学援助制度など)を確認し、申請する
- 必要に応じて、ファイナンシャルプランナーなどの専門家に相談する
これらの制度を上手に組み合わせることで、子育てと資産形成を両立させ、将来の安心につなげることができます。
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まとめ|iDeCoで、シングルマザーの未来を明るく! 無理なく、賢く、将来の安心を
iDeCoはシングルマザーの皆さんが将来の安心を築くための強力なツールです。税制優遇メリットを最大限に活かし、少額からでも無理なく資産形成を始めることができます。
- iDeCoの掛金は全額所得控除となり、所得税・住民税の負担が軽減される
- 運用益が非課税のため、資産が効率よく増える
- 月々5,000円からスタートでき、ライフスタイルに合わせて年1回掛金の変更が可能
- 子どもの成長段階に合わせてiDeCoの運用方法を調整することで、教育費と老後資金のバランスを取れる
- 公的支援制度(児童扶養手当、児童手当など)と併用することで、効果的な資産形成が可能
- 若いうちから始めるほど複利効果の恩恵を受けられるため、早めの開始がおすすめ
忙しい毎日を送るシングルマザーの皆さん、まずは小さな一歩から始めてみませんか?金融機関やファイナンシャルプランナーに相談し、自分に合ったiDeCo活用プランを立ててみましょう。子どもと自分の将来のために、今日からできる資産形成を始めましょう!
全国の似た境遇のひとり親と繋がれ、子育てや趣味などについて気軽にトークできるアプリ「ペアチル」もぜひご利用ください。すべての機能が無償なため、お守りがわりにお使いください(^ ^)
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