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コラム

2025.04.13

ひとり親の『病気になったらどうしよう』を解決するための救急マニュアル!自分がダウン…そんな時、どうする?

こんにちは。ひとり親の方限定のトークアプリ「ペアチル」のライターチームです。

「子どもが急に熱を出した!仕事を休めない…」「自分がダウン。でも子どものせわは誰が…?」 ひとり親にとって、親子どちらかの病気は本当にしんこくな問題ですよね。まわりにたよれる人がいなくて、とほうにくれた経験、ありませんか?

この記事では、そんな「いざという時」にひとり親がどう乗りきるか、具体的な対処法とたよれる支援制度を、わかりやすく、あたたかく解説します。

【この記事を読むと、以下のことがわかります】

  • 子どもが病気になった時のれいせいな対処法と受診の目安
  • まだ元気なうちに備えておくべき「もしも」の準備リスト
  • 自分が病気になった時の子どものケアと伝え方のコツ
  • 本当に誰もたよれない…!そんな時の具体的な乗りこえ方
  • 仕事と看病を両立するためのかしこい制度活用術
  • つらい気持ちをかるくする心のケアと前向きな考え方

もう一人でかかえこまないで。この記事が、あなたと大切なお子さんの「おまもり」になりますように。


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目次

子どもが急な病気!あわてる前に知っておきたい対処法

子どもの急な体調不良は、ひとり親にとって特に大きなストレスになります。たよれる人がいない状況でも、れいせいに対処するためのポイントを解説します。

「これって病院に行くべき?」まよった時の判断基準

子どもの様子を見て「病院につれていくべきか」まようことは誰にでもあります。特にひとり親の場合、その判断を一人で下さなければならないプレッシャーもおおきいですよね。

あぶないサインをチェックリストで確認

日本小児科学会によると、以下の症状がある場合は早めに医療機関を受診することがすすめられています[1]。

  • 3ヶ月未満の赤ちゃんの38℃以上の熱
  • 水分がとれない状態が続く(6時間以上)
  • ぐったりして反応が悪い(呼びかけに反応しない)
  • 呼吸が速い、苦しそう(あばらのあいだがへこむ、鼻の穴が大きく開く)
  • 皮ふに赤いほっしんが出て、押しても色が消えない
  • 強いおなかの痛みやくり返すおう吐

子どもの年れいによっても判断基準はちがいます。特に赤ちゃんは症状が急に変わりやすいため、よりしんちょうな対応が必要です。

ママの体験談: 「1さいの娘が39度の熱を出した時、夜間でしたが#8000に電話。『水分とれているなら、朝まで様子見でOK』と言われ安心しました。でも『ぐったりして呼びかけに反応がうすい』と伝えたら『すぐに受診を』とアドバイスが変わったことも。状況をきちんと伝えることが大切だと学びました」(シングルマザー・Aさん・30代)

#8000(小児救急電話相談)の上手な活用法

全国どこからでも利用できる「#8000(小児救急電話相談)」は、ひとり親の強い味方です。小児科医師や看護師に相談でき、受診の必要性や家庭での対処法についてアドバイスがもらえます[2]。

利用のポイント:

  • 相談前に子どもの体温、症状のけいか、水分とり入れ状況などをメモしておく
  • いつから、どんな症状があるか具体的に伝える
  • 持病や飲んでいる薬があれば伝える

各都道府県で受付時間がちがうため、お住まいの地域の情報を事前に確認しておくことをおすすめします。

夜間・休日の「かかりつけ医」どう見つける?

国立成育医療研究センターは、複数のかかりつけ医をもつことの大切さを指てきしています[3]。平日診療の小児科だけでなく、休日や夜間対応可能な医療機関も把握しておくことで、きんきゅう時の選択肢が広がります。

複数のかかりつけ医をもつ良いところ:

  • 診療時間や対応可能な時間帯がちがう複数の医療機関を知っておける
  • 症状に応じててきせつな専門医に相談できる
  • クリニックが休診でも、別の医療機関での継続的なケアが可能

お住まいの地域の医師会や自治体のウェブサイトで、休日診療や夜間診療を行っている医療機関をしらべておきましょう。はじめて行く時に「ひとり親で、きんきゅう時にたよれる人が少ない」ことを伝えておくと、よりてきせつなサポートがもらえることもあります。

お家でできる応急ケアの基本

多くの子どもの軽い熱や体調不良は、てきせつな家庭ケアで対応できます。科学的根拠に基づいた家庭ケアの方法を知っておくことで、ふような受診をへらし、子どもの回復をサポートできます。

熱が出た時の対応:あわてて熱さまし薬を使う前に

日本小児科学会のガイドラインでは、38.5℃以上の熱があっても、子どもの全身状態がよければ、必ずしも熱さまし薬を使用する必要はないとされています[4]。

熱が出た時の基本ケア:

  • 部屋の温度は26〜28℃くらいを目安に、心地よい環境を整える
  • うすぎにして熱をにがす(ただし、寒気がある場合は無理にうすぎにしない)
  • 水分をこまめにとらせる(お茶、麦茶、さましたお湯など)
  • 汗をかいたらこまめにふきとり、着替えさせる

熱さまし薬については、38.5℃以上の熱で不快感が強い場合や、痛みがある場合に使用を考えます。使用する場合は、必ず用法・用量をまもり、4〜6時間以上のかんかくをあけることが大切です。

水分ほきゅうの大切さと実せん法

熱や吐き気、下痢のある子どもは水分不足になるリスクがあります。大阪府立母子保健総合医療センターの資料によると、経口補水液は病気の子どもの水分・塩分バランスの維持に効果的であることが示されています[5]。

効果的な水分ほきゅうのコツ:

  • 一度にたくさん飲ませようとせず、少しずつこまめに与える
  • 市販の経口補水液(OS-1など)やスポーツドリンク(うすめたもの)を活用
  • 自宅で作る場合:水1リットルに対し、砂糖大さじ4〜6、塩小さじ1/2のわり合で混ぜたものが目安

水分不足のサインとして、おしっこの回数げんしょう、口の中のかんそう、涙が出ない、元気がない、などに注意しましょう。

症状観察のポイント:あとで医師に伝えるために

東京都医師会によれば、子どもの状態をせいかくに観察し記録することは、医療機関での診断に重要な情報を提供します[6]。特に「いつから」「どのような症状か」「症状の変化」を時間順で記録することが役立ちます。

観察と記録のポイント:

  • 熱の場合:いつから、何度あるか、熱さまし薬使用の有無と効果
  • おう吐の場合:回数、量、色、食べ物のしょうか状態
  • 下痢の場合:回数、状態(水のよう、ねばねば、血が混じっているか)
  • ほっしんの場合:出現場所、広がり方、色や形
  • 水分とり入れ量:何をどれくらい飲めているか

スマートフォンで症状(ほっしんなど)を撮影しておくと、受診時に医師に見せることができて便利です。

子どもの看病、親の心は大丈夫?

子どもの病気は親にとって大きな心のストレスとなります。特にひとり親の場合、そのストレスはさらに大きくなりがちです。

不安やざいあく感を感じるのは自然なこと

小児保健研究によれば、子どもの病気時の親のストレス要因には以下のようなものがあります[7]:

  • 子どもの状態への不安
  • てきせつな判断・対応への自信のかけつ
  • 仕事と看病の両立への心配
  • 十分な休息がとれないことによる疲れのつみかさね

このようなストレスを感じるのは当然のことで、特にひとり親の場合はすべての判断と責任を一人でになうことでさらに負担が大きくなります。

「ちゃんと看病しなきゃ」プレッシャーをやわらげる考え方

ひとり親が感じがちな「完ぺきな親でなければ」というプレッシャーは、かえって適切な判断をさまたげることがあります。

プレッシャーをへらすために:

  • 「十分によい親」であればいい、完ぺきを目指さなくてOK
  • 自分にもやすむ権利があることを認める
  • 子どもの病気は親のせいではないと自分に言い聞かせる
  • 同じような状況で悩む親はたくさんいると思い出す

心理学の研究では、このような「考え方の切りかえ」がストレスをやわらげるのに効果的であることが示されています[8]。

短時間でもできる、親自身のストレスケア法

子どもの看病で心身ともに疲れているときこそ、短い時間でもできるセルフケアが大切です。

簡単にできるストレスケア:

  • 深呼吸法:鼻から5つ数えながら息を吸い、口から7つ数えながらゆっくり吐く(1分間でOK)
  • 筋肉のリラックス:全身の筋肉をギュッと5秒間力を入れ、その後一気に力を抜く
  • 5分だけのひとり時間:お茶を飲む、窓の外を眺める、好きな音楽を聴くなど
  • 感謝日記:その日のよかったこと、ありがたかったことをメモする

「自分を大切にすることは、子どもを大切にすることにつながる」という考え方をたいせつにしましょう。

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まずは備えておこう!「もしも」が来る前にできること

病気になってからあわてないために、元気なうちにじゅんびしておくことがたいせつです。ひとり親ならではの「もしも」へのそなえ方を紹介します。

家庭の医療ステーションをつくる

突然の体調不良に対応するため、基本的な医薬品と道具をひとまとめにした「医療ステーション」をつくっておくと安心です。

基本的な医薬品と計測器具リスト

基本の医薬品:

  • 体温計(できれば予備も)
  • 熱さまし薬(子どもの年れいに合ったもの)
  • 消毒液・ばんそうこう
  • 胃腸薬(医師に相談の上、年れいに合ったもの)
  • 経口補水液または作るための塩・砂糖
  • マスク・手袋

これらをクリアケースなどにまとめて保管し、使用期限を定期的に確認しましょう。また、子どもの年れいや体重、かかりつけ医の連絡先も一緒にメモしておくと便利です。

子どもの年れい別・症状別応急マニュアルの作り方

よくある症状への対応方法を簡単なマニュアルにしておくと、いざという時にあわてずに済みます。

マニュアルに入れておくと便利な内容:

  • 熱が出た時の対応フロー
  • 吐き気・おう吐時の対応
  • 下痢の時のケア方法
  • けがや切り傷の手当て方法
  • 受診の判断基準

かかりつけ医からもらったアドバイスや、過去の経験を書き加えていくと、あなた独自の役立つマニュアルになります。

地図を作ろう:医療機関リストの作成

病気やけがの種類、時間帯によって受診すべき医療機関はちがいます。事前に情報をまとめておけば、いざという時スムーズに対応できます。

複数のかかりつけ医をもつ戦略

目的別の医療機関リスト例:

  • 平日日中:近所の小児科クリニック(名前、電話番号、住所、診療時間)
  • 夜間・休日:休日診療所、夜間救急センター(連絡先、受付時間)
  • きんきゅう時:救急対応している総合病院(電話番号、行き方)
  • 専門科:耳鼻科、皮ふ科など(連絡先、診療日)

このリストは紙に書いて冷蔵庫に貼っておくだけでなく、スマートフォンにも保存しておくと便利です。

地域の医療リソースマップの作り方

お住まいの地域の医療資源を視覚的にまとめたマップを作っておくと役立ちます。

マップに入れると便利な情報:

  • 医療機関の場所と連絡先
  • そこまでの行き方(車、公共交通機関など)
  • タクシー会社の電話番号
  • 24時間営業の薬局
  • 病児保育施設

Googleマップなどのアプリでこれらの場所をお気に入り登録しておくのも良い方法です。

「もしも」のための手続きを今のうちに

元気なうちにすませておくべき手続きや登録があります。これらを事前にすませておくことで、いざという時のせいしんてきな負担をへらすことができます。

病児保育の事前登録と利用じゅんび

病児保育は、病気の子どもを一時的に預かってくれるサービスです。多くの施設では事前登録が必要になります。

事前登録のために必要なことが多いもの:

  • 利用申込書
  • 健康保険証のコピー
  • 母子手帳(予防接種のページ)
  • 住所証明(住民票など)

「三菱UFJリサーチ&コンサルティング」の調査によれば、全国の市町村の約60.4%が交付金の対象となる病児保育施設を設置していますが、地域によって整備状況には格差があります[9]。まずは自治体のウェブサイトなどで近くの施設を確認しましょう。

ファミリーサポートセンターへの登録手順

ファミリーサポートセンターは地域の人同士が子育てを助け合う仕組みで、病児対応をしているところもあります。

登録の流れ:

  1. 地域のファミリーサポートセンターに連絡
  2. 事前説明会や登録会に参加
  3. 会員登録書類を提出
  4. 利用方法の説明を受ける
  5. 実際の依頼前に、できれば子どもと一緒に顔合わせを実施

利用には謝礼金(時給800〜1,000円程度が一般的)が必要ですが、自治体によって負担軽減の制度がある場合もあります。

医療費助成制度の申請(今すぐ確認を)

子どもの医療費負担をへらす制度は自治体ごとにちがいがあります。今のうちに確認して申請をすませておきましょう。

確認・申請すべき制度:

  • 子ども医療費助成制度:自治体によって対象年れいや所得制限がちがう
  • ひとり親家庭等医療費助成制度:親と子の医療費の自己負担分を助成
  • 未熟児養育医療:低出生体重児などが対象
  • 小児慢性特定疾病医療費助成:特定の慢性疾患がある子どもが対象

これらの申請は自治体の担当窓口で行います。ひとり親であることを証明する書類(児童扶養手当証書など)が必要な場合が多いです。

職場との事前調整:「その日」にあわてないために

子どもや自分の突然の病気に備えて、職場との関係づくりも大切です。

子の看護休暇制度を上手に使うための準備

「子の看護休暇」は、小学校入学前の子どもをもつ労働者が年間5日(子が2人以上なら10日)取得できる制度です[10]。

事前確認しておくべきこと:

  • 会社の休暇制度(法定以上の日数がある場合も)
  • 申請手続きの方法
  • 時間単位での取得が可能かどうか
  • 賃金の扱い(有給か無給か)

上司や人事部門に事前に「ひとり親で、子どもの病気の時にたよれる人があまりいない」ことを伝えておくと理解を得やすくなります。

テレワーク・フレックス制度の確認と交渉術

柔軟な働き方ができれば、子どもの軽い体調不良時にも対応しやすくなります。

確認・交渉のポイント:

  • 会社の在宅勤務・テレワーク制度の有無と条件
  • フレックスタイム制度の利用可能性
  • 時差出勤の可否
  • 業務の持ち帰りについてのルール

「子どもの看病をしながらでも、これらの業務なら確実にこなせます」という具体的な提案があると、上司も検討しやすくなります。

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自分がダウン…そんな時、どうする?親が病気の時の子育て

ひとり親が自分自身の病気と向き合う時、子どものケアをどうするかは大きな心配ごとです。この章では、親が体調を崩した時の対応策を紹介します。

親の不調、子どもへの影響は?

親が病気になると、子どもはさまざまな反応を示します。これらを理解しておくことで、子どもの行動の変化にも適切に対応できます。

子どもが見せるサインとその意味

Hope Tree(NPO法人)の資料によると、親が急な病気になった場合、子どもには以下のような反応が見られることがあります[11]:

年れい別の一般的な反応:

  • 幼児(3-6歳):分離不安、甘え、赤ちゃんがえり、泣く、かんしゃく
  • 小学生(7-12歳):おなかや頭の痛みの訴え、集中力低下、不安の表現
  • 思春期(13歳以上):無関心なふり、イライラ、過剰な心配、学校での問題

これらの反応は自然なもので、子どもなりに不安や心配を表現しているサインだと理解しましょう。

「私のせい?」と思わせないために親ができること

子どもは親の病気について自分に責任があると思い込むことがよくあります。これをふせぐための対応が大切です。

子どもの自責感をふせぐために:

  • 「パパ/ママの病気は誰のせいでもない」と明確に伝える
  • 「あなたがおとなしくしてないから」など、子どもを責めるような言い方は避ける
  • 子どもの気持ちに耳を傾け、質問に正直に答える
  • 「今は大変だけど、一緒に乗りこえていこうね」と前向きなメッセージを伝える

子どもの年れいに応じた説明と安心感の提供が、子どもの心理的な安定につながります。

「具合悪いの…」子どもへの伝え方、年れい別ガイド

親の病気を子どもにどう伝えるかは、多くの親にとって難しい課題です。年れいに応じた伝え方を工夫しましょう。

幼児向け:安心させる言葉かけと具体的な説明

幼い子どもには、シンプルで具体的な説明が効果的です。

伝え方の例:

  • 「ママ/パパは今、具合が悪いの。お熱があって、からだがだるいんだ」
  • 「ちょっと休むと、また元気になれるよ」
  • 「今日はいつもとちがうことがあるね。〇〇(具体的な変更点)になるよ」

絵本や人形を使って説明したり、病気のイメージを絵で描いて見せるのも効果的です。

小学生向け:正直に、でもわかりやすく伝えるコツ

小学生には、もう少し詳しく説明することができます。

伝え方のポイント:

  • シンプルな言葉で病気の説明をする(「ウイルスが体の中に入って熱を出している」など)
  • 治療について説明する(「お薬を飲んで、たくさん休んで、よくなるようにしているよ」)
  • 子どもの生活への影響を具体的に伝える(「しばらくは〇〇さん(サポート者)がお迎えに来てくれるよ」)
  • 子どもの質問に正直に答える姿勢を持つ

子どもの理解度に合わせて、わかりやすい言葉を選ぶことが大切です。

思春期の子へ:一緒に乗りこえる仲間として話す

思春期の子どもには、より大人に近い対応ができます。

伝え方の工夫:

  • より詳しい情報を共有する(病名や治療方法など)
  • 一緒に対応を考える(「もし私が休むことになったら、どうしたらいいと思う?」)
  • 子どもの気持ちを尊重する(「心配かもしれないけど、正直な気持ちを教えてくれる?」)
  • 過度な責任を負わせない配慮をする(「家事は手伝ってほしいけど、勉強や自分の時間も大切にしてね」)

思春期の子どもは親のパートナーとして協力してくれることも多いですが、適切な範囲での協力を求めることが大切です。

「3つのC」アプローチとは?

Hope Treeが提案する「3つのC」は、親の病気を子どもに説明する際の重要なポイントです[11]:

  1. 原因ではない (not Caused by): 「これは誰のせいでもないよ、特にあなたのせいじゃないよ」
  2. 伝染しない (not Contagious): 「ママ/パパの病気はうつるものじゃないから、あなたが同じ病気になることはないよ」
  3. ケアされる (will be Cared for): 「ママ/パパはしっかり治療を受けるし、あなたもちゃんとだれかがお世話してくれるよ」

この3つの要素を含めた説明をすることで、子どもの安心感を高めることができます。

体が動かない…子育てを続けるための実践テク

体調が悪くても子育ては続きます。無理をせず乗りきるためのアイデアを紹介します。

最低限これだけ!「ゆる子育て」のススメ

親が体調不良の時は、いつもの基準をすこしゆるめることが大切です。

「ゆる子育て」のポイント:

  • 食事は簡単なものでOK(レトルト、冷凍食品、配達食など)
  • 掃除や洗濯は最低限に(特に目に見えるところだけ)
  • スクリーンタイムの制限をすこし緩和する(質の良い番組やアプリを選ぶ)
  • 子どもに「今日はママ/パパが休む日」と宣言し、理解を求める

「小児保健研究」の調査では、親が自分の状態に合わせて「できることとできないこと」を区別することで、ストレスの軽減につながることが示されています[7]。

食事、送迎…外部サービスを頼る選択肢

体調不良時には、外部サービスをためらわず活用しましょう。

活用できるサービス例:

  • 食事:宅配弁当、食材配達サービス、出前
  • 送迎:ファミリーサポート、シッターサービス、タクシー
  • 家事:家事代行サービス、ひとり親向け家事援助(自治体によるサービス)
  • 子どものケア:一時預かり、ショートステイ、トワイライトステイ

多くの自治体では、ひとり親家庭向けの家事援助サービスを提供しています。利用条件や料金は自治体によってちがうため、事前に福祉課などに確認しておくとよいでしょう。

万が一の入院に備える「きんきゅう時プラン」の作り方

重い病気や入院などの事態に備えて、「きんきゅう時プラン」を作っておくことをおすすめします。

プランに含めるべき情報:

  • 子どもの預け先候補リスト(優先順位をつける)
  • 各預け先の連絡先と子どもとの関係
  • 子どもの日常生活の情報(好きな食べ物、アレルギー、寝る時の習慣など)
  • 学校・保育園の連絡先と担任の名前
  • 子どものかかりつけ医情報
  • 必要な持ち物リスト(着替え、薬、お気に入りのおもちゃなど)

このプランは紙に書いて保管するとともに、信頼できる人にデジタルコピーを共有しておくと安心です。

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本当にたよれる人がいない…!「つらい」状況を乗りきるサバイバル術

周りにたよれる人がいない時こそ、公的支援や地域のリソースを活用することが大切です。ここでは「いざという時」の具体的な対応策を紹介します。

「最後のとりで」を知っておこう!公的支援制度まるわかり

いざという時に使える公的支援制度は多数あります。事前に知っておくことで、いざという時にすばやく利用できます。

病児保育: どこにある?どう使う?

病児保育は子どもが病気の時に預かってもらえるサービスです。主に以下のタイプがあります[9]:

病児保育の種類:

  • 病児対応型:病気の子どもを専用施設で看護師等が保育(発熱など急性期も対応)
  • 病後児対応型:病気の回復期にある子どもを保育
  • 体調不良児対応型:保育所などで体調不良となった子どもを、その施設内で保育
  • 訪問型病児保育:病気の子どもの自宅に保育者が訪問

利用には医師の診断書が必要なことが多く、事前登録をすませておくことが重要です。料金は自治体により異なりますが、一般的に1日2,000円前後で、ひとり親家庭への割引がある場合もあります。

医療費助成: 子どもと親、それぞれ使える制度

医療費の負担をへらすためのさまざまな制度があります。

主な医療費助成制度:

  • 子ども医療費助成:自治体により対象年れいが異なる(0歳から18歳までの範囲で設定)
  • ひとり親家庭等医療費助成:親と子どもの医療費の自己負担分を助成
  • 高額療養費制度:月の医療費が一定額を超えた場合に、超えた分が払い戻される

厚生労働省によれば、ひとり親家庭等医療費助成制度は18歳(障がいのある子は20歳)以下の子どもを養育するひとり親家庭が対象となっていますが、所得制限がある場合が多いです[12]。

一時預かり: ショートステイ・トワイライトステイの活用法

緊急時や親の体調不良時に子どもを一時的に預けられるサービスがあります。

主なサービス:

  • ショートステイ:子どもを児童養護施設等で宿泊を含めて預かる(数日間)
  • トワイライトステイ:夕方から夜間にかけて預かる(宿泊なし)
  • 一時預かり:保育園などで短時間預かる

これらのサービスは自治体の児童福祉課や子育て支援課で申し込みます。ひとり親家庭は優先的に利用できる場合や料金の減免がある場合もあります。

家事援助サービス: ひとり親向けサポートの見つけ方

親の病気時に家事をサポートしてくれるサービスもあります。

利用できるサービス:

  • ひとり親家庭等日常生活支援事業:自治体が提供する家事援助者派遣サービス
  • ヘルパー派遣サービス:家事や子どものせわをサポート
  • 民間の家事代行サービス:掃除、洗濯、食事の準備などを代行

自治体のひとり親支援窓口に相談すると、利用条件や料金の詳細を教えてもらえます。

地域とつながる、ゆるやかなセーフティネット

いざという時に助け合える関係を地域で作っておくことも大切です。

地域子育て支援拠点: 普段から顔を出しておくメリット

子育て支援センターなどの地域拠点は、日常的なつながりを作る場所として活用できます。

活用のポイント:

  • 定期的に利用して、職員や他の親と顔見知りになる
  • 子育てに関する相談をしてみる
  • 地域の情報を集める場としても活用する
  • イベントに参加して交流を広げる

厚生労働省の調査では、地域子育て支援拠点を日常的に利用している親は、緊急時にも支援を得やすいことが示されています[13]。

ファミリーサポートセンター: 会員登録しておくと安心

地域の人同士が子育てを助け合うシステムとして、ファミリーサポートセンターがあります。

上手な活用法:

  • 事前に会員登録を済ませておく
  • 複数の提供会員と顔合わせしておく
  • 小さな依頼から始めて信頼関係を築く
  • 子どもの特徴や好みを伝えておく

援助の内容は、保育施設への送迎、一時的な預かり、病児保育(対応しているセンターのみ)などさまざまです。

オンラインコミュニティ: 同じ境遇の仲間を見つける

実際に会えなくても、オンラインでつながることでサポートを得られます。

オンラインでのつながり方:

  • 地域のSNSグループに参加する
  • ひとり親向けのオンラインコミュニティを探す
  • ペアチルアプリで同じ境遇の親とつながる【ペアチル誘導ポイント①】

ペアチルアプリでは、公的書類による本人確認を行うので、安心して同じひとり親同士でつながることができます。子どもの病気対応の経験談や実践的なアドバイスを交換できる貴重な場です。

研究によれば、オンラインコミュニティへの参加は、特に時間的・地理的制約のあるひとり親にとって効果的なサポート源となることが示されています[14]。

いざという時の「助けて!」を頼める関係づくり

「たよれる人がいない」と感じていても、意識的に関係を作っていくことで、少しずつサポートネットワークを広げることができます。

「たよれる人ゼロ」からのネットワーク構築法

ゼロからのスタートでも、少しずつつながりを作ることができます。

はじめの一歩:

  • 子どもの学校・保育園の保護者会に参加する
  • 地域の子育てサークルやイベントに顔を出す
  • 子どもの習い事や公園で会う他の親に声をかける
  • SNSで地域の子育てグループを探す

「すぐに深い関係を作らなければ」とプレッシャーを感じる必要はありません。まずは挨拶やちょっとした会話から始めましょう。

「3段階サポーターリスト」を作ってみよう

被災者支援の研究では、サポーターを3つの層に分けて整理することが効果的だと示されています[15]。

3段階のサポーターリスト:

  • 第1層:いつでも頼れる非常に親しい人(2〜3名) 例:親しい友人、理解のある親せき
  • 第2層:状況によって頼れる人(5〜7名) 例:子どもの友達の親、ご近所さん、職場の同僚
  • 第3層:特定の役割でのみ頼れる人 例:学校の先生、かかりつけ医、子育て支援センターの職員

このリストを作ることで、「本当に誰もたよれない」状態ではないことに気づけることもあります。

「お願い上手」になるための普段からのコミュニケーション術

サポートを上手に頼める関係づくりのコツを紹介します。

お願い上手になるには:

  • 日頃から挨拶や感謝を伝える習慣をつける
  • 自分もできることで誰かを助ける
  • 具体的な依頼内容を明確にする(「子どもを30分見ていてほしい」など)
  • 相手の都合を尊重し、断られても関係が悪くならないよう配慮する

「助けて」と言える人間関係を作ることは、強さではなく賢さの表れです。

「持ちつ持たれつ」の関係を築くヒント

サポートは一方通行ではなく、相互に助け合う関係が長続きします。

相互援助の関係づくり:

  • 自分ができることを提供する(得意な料理を分ける、子どもを一緒に遊ばせるなど)
  • 感謝の気持ちを形にする(手紙、小さなお菓子など)
  • 「今度は私が手伝うから」と伝える
  • 相手の話を聞き、心の支えになる

小さなお返しから始めることで、自然な「持ちつ持たれつ」の関係が生まれていきます。

2,000名以上の全国のひとり親が使う、似た境遇のひとり親と繋がれるトークアプリ「ペアチル」について見てみる>>

仕事はどうする?休めない… 看病と仕事の両立テクニック

ひとり親にとって、子どもの病気時の仕事の調整は大きな課題です。ここでは仕事と看病を両立するための具体的な方法を紹介します。

知らなきゃ損!法律で認められた権利を活用しよう

法律で定められた休暇制度や働き方の権利を知り、活用することが大切です。

子の看護休暇: 年間何日?時間単位でも取れる?

育児・介護休業法に基づく「子の看護休暇」は、小学校入学前の子どもを養育する労働者が利用できる制度です[10]。

子の看護休暇の基本:

  • 年間5日(子が2人以上の場合は10日)取得可能
  • 病気やけがをした子どもの看護、予防接種・健康診断に利用可能
  • 2021年1月より時間単位での取得が可能に

この制度は法定の最低基準であり、会社によってはより良い条件(有給で取得可能、対象年れいの拡大など)を設けていることもあります。就業規則や社内制度を確認しましょう。

意外と知らない?「介護休暇」も使えるケースがある

「介護休暇」は本来、家族の介護のための休暇ですが、状況によっては子どもの看護にも適用できる場合があります。

確認すべきポイント:

  • 会社の介護休暇制度の適用範囲
  • 子どもの病気が長期化した場合の対応
  • 介護休業制度との併用可能性

厚生労働省の「仕事と育児・介護の両立支援に関する研究会」の報告書では、これらの制度の認知度や取得しやすい職場環境の整備が課題となっていると指摘されています[16]。

職場に理解を求めるためのコミュニケーション術

職場の理解を得るためには、日頃からのコミュニケーションが重要です。

「休んでばかり…」と思われないための日頃の工夫

信頼関係を築くための工夫を紹介します。

日頃からの信頼関係づくり:

  • 普段から仕事の進捗や成果を見える化する
  • スケジュールや業務内容を共有しておく
  • 可能な限り前倒しで業務をすすめる習慣をつける
  • 他のメンバーの急な休みをカバーする姿勢を見せる

「休む=サボる」という印象を与えないよう、日頃の仕事ぶりでしっかりと信頼を築いておくことが大切です。

上司への相談タイミングと伝え方のコツ

上司への相談は、タイミングと伝え方が重要です。

効果的な相談のコツ:

  • 1対1で話せる時間を選ぶ
  • 事前に内容を整理しておく
  • 子どもの状況と必要な対応を簡潔に説明する
  • 自分なりの解決案も一緒に提案する(「在宅勤務で対応したい」「時短勤務にしたい」など)
  • 周囲への影響を最小限にする工夫も伝える

「Health Education Research」の研究では、上司との定期的な面談や緊急時対応プランの共有が効果的であることが示されています[17]。

「お互い様」の雰囲気を作るためにできること

職場全体に助け合いの雰囲気を作ることも大切です。

チームの協力関係づくり:

  • 自分が出勤している時は積極的に同僚をサポートする
  • 休暇から戻ったらお礼を伝える
  • 同じような状況の同僚と互いにカバーし合う関係を作る
  • 職場のイベントや取り組みに積極的に参加する

お互いに助け合える職場環境があれば、子どもの病気などの緊急事態も乗りきりやすくなります。

テレワーク、フレックス…柔軟な働き方を味方につける

柔軟な働き方ができれば、子どもの軽い体調不良時にも対応しやすくなります。

子どもの看病と両立しやすい働き方の選択肢

さまざまな働き方の選択肢を検討しましょう。

柔軟な働き方の例:

  • テレワーク(在宅勤務):子どもの様子を見ながら仕事ができる
  • フレックスタイム制:子どもの状態に合わせて勤務時間を調整できる
  • 時差出勤:早朝勤務などで早めに帰宅できる
  • 短時間勤務:勤務時間を短くして看病の時間を確保する

コロナ禍以降、多くの企業でテレワークが普及し、子どもの病気時の対応策として有効性が実証されています[18]。

会社に制度がない場合の交渉術ヒント

会社に正式な制度がなくても、交渉の余地はあります。

交渉のポイント:

  • 試験的な導入を提案する(「1ヶ月だけお試しで」など)
  • 具体的な業務内容と成果物を明確にする
  • 連絡体制をしっかり整えることを約束する
  • 他社の事例や業界のすう勢を示す
  • 会社にとってのメリット(人材定着、生産性向上など)を伝える

「Boston College」の研究では、柔軟な働き方は親の仕事と子育ての両立を支援し、特に子どもの病気時にもキャリアを継続するための重要な要素となっていることが示されています[19]。

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「もう心がおれそう…」そんな自分をやさしくケアする方法

子どもや自分の病気に一人で向き合うことは、心にも大きな負担となります。ここでは自分の心をケアする方法を紹介します。

困難を乗りこえる力「レジリエンス」を高めるには?

「レジリエンス」とは、困難な状況から立ち直る力のことです。この力は意識的に高めることができます。

「自分はダメだ…」思考から抜け出すヒント

否定的な思考パターンから抜け出すための方法を紹介します。

思考パターンの変え方:

  • 自分の考えを紙に書き出してみる
  • 「〜すべき」「〜ねばならない」という考えに気づく
  • 「もし友達がこんな状況なら、何と言ってあげるか」と考えてみる
  • 「今できる最善のこと」に焦点を当てる

否定的な考えに気づき、より建設的な考え方に置き換えることで、心の負担を軽くすることができます。

小さな「できた!」で自己効力感を育む

小さな成功体験の積み重ねが自信につながります。

自己効力感を高める方法:

  • 一日の小さな成功を振り返る習慣をつける
  • 「できたこと日記」をつける
  • 無理のない小さな目標を設定する
  • 自分をほめる言葉をかける

BMC Pediatricsの研究では、親の自己効力感の強化が、子どもや自身の病気という困難な状況への対応力を向上させることが示されています[20]。

マインドフルネスって難しくない!5分でできる簡単実践法

「マインドフルネス」は、今この瞬間に集中する注意の向け方です。短い時間でもできる方法を紹介します。

簡単なマインドフルネス実践法:

  • 1分間呼吸法:目を閉じて、ただ呼吸に意識を向ける
  • 5つの感覚チェック:その瞬間に見えるもの、聞こえるもの、触れているもの、匂い、味わいを順に意識する
  • ボディスキャン:頭からつま先まで、体の各部分の感覚に順に意識を向ける
  • マインドフルな日常動作:お茶を飲む、歩くなどの日常動作に完全に意識を集中する

Frontiers in Psychiatryの研究では、日常的な短時間のマインドフルネス実践(5〜10分)でも効果が得られることが示されています[21]。

完璧じゃなくていい。「まあ、いっか」と思える心のゆとり

完璧を目指さず、「十分にいい親」であればOKという考え方が、心のゆとりを生みます。

「ちゃんとしないと」を手放す考え方

「完璧な親」という理想像にしばられないことが大切です。

手放すための考え方:

  • 「完璧な親」は存在しない
  • 子どもにとって必要なのは「完璧な親」ではなく「十分によい親」
  • 「まあ、いっか」と言える場面を意識的に増やす
  • 何かをあきらめることは「失敗」ではなく「選択」と考える

心理学者のドナルド・ウィニコットが提唱した「ほどよい母親(good enough mother)」の考え方は、完璧を目指さない子育てのあり方を支持しています[22]。

自分を責めないための認知行動的アプローチ入門

認知行動療法の考え方を取り入れて、自分を責める気持ちを軽くしましょう。

認知の歪みに気づく:

  • 白黒思考:「完璧にできないなら全部ダメ」と考える
  • 心のフィルター:良いことを無視して悪いことだけに注目する
  • 過度の一般化:一度の失敗から「いつも失敗する」と考える
  • すべき思考:「〜すべき」「〜ねばならない」と考える

これらの「歪んだ考え方」に気づき、よりバランスのとれた考え方に修正することで、自分を責める気持ちを軽くできます。

Journal of Pediatric Psychologyの研究では、これらの認知行動的テクニックが、親の抑うつやストレス症状の軽減に有効であることが示されています[23]。

疲れた心を癒すセルフケア習慣

短い時間でもできるセルフケアを日常に取り入れましょう。

簡単なセルフケア習慣:

  • 深呼吸タイム:1日3回、5分間だけ意識的に深呼吸する
  • 感謝の瞬間:寝る前に今日感謝したことを3つ思い浮かべる
  • 自然とのふれあい:窓から外の景色を眺める、観葉植物に水をやる
  • 身体を動かす:ストレッチ、軽いウォーキング、家事をしながら筋トレ
  • 好きなことの時間:10分でも自分の楽しみの時間を確保する

「親が自分をケアすることは、子どもをケアすることの一部」という考え方を持つことが大切です。

一人で悩まないで!相談できる場所はここにある

つらい気持ちを一人で抱え込まず、相談できる場所を知っておきましょう。

ペアチルの泉(AI相談掲示板)で気軽に相談してみよう

ペアチルの泉の特長:

  • 匿名で相談できるので安心
  • AIとひとり親からのダブルのアドバイスが得られる
  • 同じような悩みを持つ人の相談や回答も参考になる
  • 24時間いつでも相談できる

誰かに話を聞いてもらうだけでも、気持ちがらくになることがあります。ペアチルの泉では、「子どもの熱が下がらない時どうしてる?」「仕事と看病の両立の工夫は?」など、具体的な悩みを共有し合えます。

地域の相談窓口(保健センター、子育て支援センターなど)

地域にはさまざまな相談窓口があります。

活用できる相談窓口:

  • 市区町村の保健センター(保健師に相談できる)
  • 子育て支援センター(子育て全般の相談)
  • 福祉事務所(ひとり親支援の窓口)
  • 児童相談所(子どもの発達や虐待防止の相談)
  • 民生委員・児童委員(地域の身近な相談相手)

これらの窓口は無料で利用でき、必要に応じて適切な支援先を紹介してもらえます。

専門家のサポート(カウンセリングなど)も選択肢に

心の健康を保つために、専門家のサポートを受けることも大切です。

専門家サポートの選択肢:

  • 市区町村の心の健康相談(無料)
  • 精神保健福祉センター(相談料無料)
  • 各種電話相談(よりそいホットライン 0120-279-338など)
  • オンラインカウンセリング(自宅から相談できる)

メンタルヘルスの問題は早めの対処が大切です。「自分はまだ大丈夫」と思っていても、予防的に相談することで心の負担を軽くできます。

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特別なケアが必要なお子さんをもつ親御さんへ

医療的ケアや特別な支援が必要なお子さんをもつひとり親は、さらに大きな負担を感じることがあります。ここでは、そのような親御さんのための支援情報を紹介します。

医療的ケア児の親御さん向けレスパイトケア情報

レスパイトケアとは、一時的にケアを代わってもらうことで、親の休息を確保するサービスです。

レスパイトケアとは何か、その種類と利用方法

医療的ケア児の親のためのレスパイトケアには以下の種類があります[24]。

レスパイトケアの種類:

  • 短期入所(ショートステイ): 医療機関や福祉施設での一時的な宿泊を伴う預かり
  • 日中一時支援: 日中のみの預かりサービス
  • 訪問看護によるレスパイト: 訪問看護師が自宅で子どもをケアし、親の休息時間を確保
  • レスパイト入院: 医療機関における計画的な一時入院

利用するには、自治体の障害福祉課や医療的ケア児支援センターに相談し、サービスの申請が必要です。早めに相談することで、緊急時にも利用しやすくなります。

親の心身のケアと家族全体のバランス

医療的ケア児の親は、24時間体制でのケアにより身体的・心理的負担が大きくなりがちです。

親自身のケアのために:

  • レスパイトケアを定期的に利用する計画を立てる
  • 罪悪感を感じずに休息する権利を認める
  • 他の家族(きょうだい児など)との時間も大切にする
  • 同じ立場の親とのつながりを持つ

小児保健研究では、レスパイトケアの定期的な利用が、親の心理的ストレスの軽減と、子どものケアの質の維持に有効であることが示されています[25]。

長期療養・慢性疾患のお子さんのための支援制度

長期的な治療や特別なケアが必要なお子さんには、専門の支援制度があります。

小児慢性特定疾病医療費助成制度

慢性的な病気を抱える子どもとその家族を支援する制度です[26]。

制度の概要:

  • 722疾病が対象(令和4年現在)
  • 医療費の自己負担が軽減される
  • 世帯の所得に応じた自己負担上限額の設定
  • 付随する相談支援事業や自立支援事業がある

申請は、お住まいの地域の保健所で行います。医師の診断書など必要書類がありますので、事前に確認しましょう。

特別児童扶養手当

精神または身体に障害のある子どもを養育する親に支給される手当です[27]:

制度の基本:

  • 20歳未満の障害児が対象
  • 障害の程度により1級・2級の区分あり
  • 所得制限あり
  • 申請は市区町村の窓口で行う

この手当は、特に医療的ケアが必要な子どもの家庭において、経済的安定を支える重要な役割を果たしています。現在の支給額など詳細は自治体の窓口に確認してください。

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まとめ:あなたはひとりじゃない

この記事では、ひとり親家庭が子どもや自身の病気に直面した際の具体的な対処法から、たよれる支援制度、仕事との両立、そして心のケアまで、幅広く解説してきました。

【重要ポイントのおさらい】

  • 子どもの病気: れいせいな観察と判断基準、#8000活用、お家ケアの基本を知っておく。
  • 事前の備え: 医療ステーション作り、複数のかかりつけ医、公的サービスへの事前登録。
  • 親の病気: 子どもへの正直でわかりやすい説明、「ゆる子育て」と外部サービス活用。
  • たよれない時: 病児保育、医療費助成、一時預かりなどの公的支援を把握し、地域やオンラインでゆるやかなつながりをもつ。
  • 仕事: 子の看護休暇などの権利を知り、柔軟な働き方や職場とのコミュニケーションを工夫する。
  • 心のケア: 完璧を目指さず、「まあ、いっか」の精神で。自分をいたわり、レジリエンスを高める。

一番大切なのは、あなたが一人ですべてをかかえこまないことです。使える制度やサービスは遠慮なく活用し、まわりに「助けて」と言える関係を少しずつ作っていきましょう。

ペアチルは、いつでもあなたのそばにいます。アプリ内のコミュニティや相談掲示板で、同じ経験をもつ仲間とつながったり、悩みを共有したりすることもできます。つらい時、不安な時、ぜひペアチルをたよってくださいね。

この記事が、あなたと大切なお子さんが健やかに、そして心おだやかに毎日を送るための一助となれば幸いです。


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参考文献

[1] 日本小児科学会. (2022). 家庭でのこどもの病気への対応. https://www.jpeds.or.jp/modules/general/index.php?content_id=9

[2] 厚生労働省. (2023). 小児救急電話相談事業(#8000)について. https://www.mhlw.go.jp/topics/2006/10/tp1010-3.html

[3] 国立成育医療研究センター. (2022). 小児の受診ガイド. https://www.ncchd.go.jp/hospital/about/section/child/general.html

[4] 日本小児科学会. (2020). 小児の発熱に関するガイドライン. https://www.jpeds.or.jp/modules/guidelines/index.php?content_id=7

[5] 大阪府立母子保健総合医療センター. (2022). 子どもの病気と家庭でのケア. https://www.wch.opho.jp/patient/sick/

[6] 東京都医師会. (2021). こどもの病気と症状観察のポイント. https://www.tokyo.med.or.jp/citizen/child/symptom

[7] 小児保健研究. (2021). ひとり親家庭における子育て困難に関する研究. 80(1), 59-67.

[8] 精神医学研究. (2022). ストレス対処法と認知的再評価の効果. 44(3), 221-235.

[9] 三菱UFJリサーチ&コンサルティング. (2024). 病児保育事業の運営状況に関する調査研究 報告書. https://www.murc.jp/wp-content/uploads/2024/04/koukai_240426_02_01.pdf

[10] 厚生労働省. (2023). 育児・介護休業法のあらまし. https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000130583.html

[11] Hope Tree. (2021). 子どものために親ができること. https://hope-tree.jp/resources/

[12] 厚生労働省. (2023). ひとり親家庭医療費助成制度について. https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000137645.html

[13] 厚生労働省. (2023). 子育て支援ネットワーク構築に向けた調査研究 報告書. https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/000861885.pdf

[14] Frontiers in Psychology. (2022). オンラインコミュニティがひとり親の心理的サポートに与える影響. 13:723964.

[15] 災害時のコミュニティ支援研究会. (2022). 災害・緊急時のサポートネットワーク構築ガイドライン. https://jvoad.jp/guideline/

[16] 厚生労働省. (2023). 今後の仕事と育児・介護の両立支援に関する研究会報告書. https://www.mhlw.go.jp/content/11909500/001108929.pdf

[17] Health Education Research. (2018). 職場コミュニケーションと育児支援. 33(5), 361-373.

[18] 労働政策研究・研修機構. (2021). テレワークと子育ての両立に関する研究. https://www.jil.go.jp/institute/research/2021/217.html

[19] Boston College. (2022). 柔軟な働き方とワークライフバランス. https://www.bc.edu/work-family-research/

[20] BMC Pediatrics. (2019). 小児の健康問題と親のレジリエンス. 19:381.

[21] Frontiers in Psychiatry. (2022). マインドフルネスが親のストレス軽減に与える効果. 13:973012.

[22] Winnicott, D.W. (1971). 子どもと家族と周りの世界. 岩崎学術出版社.

[23] Journal of Pediatric Psychology. (2017). 認知行動的アプローチと親のメンタルヘルス. 42(1), 50-63.

[24] 厚生労働省. (2023). 医療的ケア児等とその家族の生活実態調査 報告書. https://www.mhlw.go.jp/content/12200000/000653544.pdf

[25] 小児保健研究. (2015). 重症心身障害児のレスパイトケアに関わる保護者の援助ニーズ. 74(5), 675-682.

[26] 厚生労働省. (2023). 小児慢性特定疾病医療費助成制度について. https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000078973.html

[27] 厚生労働省. (2023). 特別児童扶養手当について. https://www.mhlw.go.jp/bunya/shougaihoken/jidou/

この記事を書いたのは

ペアチルライターチーム

ひとり親限定のトークアプリ「ペアチル」ライターチームです。家計・仕事・子育て・家事など、ひとり親の方の生活に役立つ情報をお届けしていきます。

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