コラム
2024.08.18
家計を安定させたい!シングルマザーが正社員で仕事するために必要な心得とは?フリーランスや他の働き方についても解説。
こんにちは。10歳と9歳を育てるシングルマザーの東城ゆずです。「シングルマザーになって心機一転、頑張ろう!」と思うとネックになってくるのが、そう! 仕事です。子どもが小さいときは、やはり病欠や勤務時間の拘束などがあるので、正社員でなかなか働けないもの。
一方でこの先の生活や金銭的な安定を考えると「正社員になりたいな」と思うシングルマザーも多くいるでしょう。そこでシングルマザーが正社員で働くためのポイントや、必要な心得について紹介したいと思います。
目次
シングルマザーは正社員で働くべき?それともパート?
シングルマザーが生活のために働かなくてはいけないのはもっとものことですが、ひとくちに働くと言っても、今の日本では多くの働き方があります。
そこでシングルマザーの私の経験をもとに、魅力や特徴を紹介したいと思います。
正社員は収入が安定しやすいが、責任範囲は広い
正社員は、契約の期間が定められていません。そこで企業が経営を続ける限り、基本的には長期間の雇用が叶う働き方です。
正社員は、社会保険で健康保険や厚生年金が保障されています。また企業独自の福利厚生(通勤手当、住宅手当、育児休暇など)の対象となることが多いです。
正社員は、通常、業績や能力に応じて昇進や昇給の機会が与えられます。パートやアルバイトでもこのような機会はありますが、正社員の方が先に昇給していくのは事実です。一方で重い責任がつきまとうことも。
正社員は、フルタイムで勤務することが多いです。法定休日や有給休暇の取得も認められています。
会社の経営状況や業績、モチベーションとパフォーマンスなどによっては解雇される可能性もあります。
しかし解雇には一定の手続きや条件が求められることが多いです。雇用保険に加入しているので失業保険を受け取れることもあるでしょう。
パートタイマーは柔軟に働きやすいが…
パートタイマーは、フルタイムの正社員に比べて、短時間勤務をするのが一般的。週に数日、数時間の勤務が多く、具体的な勤務時間や日数は雇用契約によって異なります。つまり契約内容に基づいて、働く時間や日数が決まります。このため子どもの成長を加味しながら、適正時間を探りやすい働き方です。
社会保険も規定の時間を満たすことで加入できます。このため扶養がある社会保険にも加入することができるようになっています。
パートタイマーは、通常、時給制や日給制で給与が支払われます。フルタイムの正社員に比べて給与が少ないことが一般的です。そのため正社員の補助のような役割を担うことが多くあります。
仕事の責任でいえば、正社員ほど重くないですが正社員と同じような仕事を担うことも多く「正社員のように賞与をもらっていないのに」などの不満を抱えることもあります。
派遣社員は労働環境などについて相談しやすい働き方ではある
派遣社員は、派遣会社との間で雇用契約を結びます。実際に働く場所(派遣先企業)との直接の雇用関係はありません。給与や労働条件は派遣会社が管理します。
派遣社員の契約は、一定の期間であることが多いですが近頃は無期雇用派遣もあります。この場合、雇用期間の定めはなく、本人が申し出るまで同じ就労先で働くことができます。
無期雇用ではない場合、派遣契約が終了すると、別の派遣先に移るか、派遣会社との契約が更新されないこともあります。
労働時間は、派遣先企業での業務内容に応じて決まりますが、フルタイムやパートタイムなど、様々な働き方が可能です。派遣会社を通しているのでクレームや働き方について相談できるのがシングルマザーには心強く感じることもあるでしょう。
給料の即払いなどの福利厚生を用意しているところもあります。派遣社員の給与は、派遣会社から支払われます。給与の額は派遣先企業との契約内容に基づき、時給制や月給制で支払われることが多いです。
フリーランスは良いことばかりではないので要注意!
フリーランスは、自分でビジネスを運営し、顧客やクライアントと直接契約を結びます。雇用契約に基づくものではなく、プロジェクト単位や業務単位での契約が一般的です。
「フリーランスになれるなんて特別な才能を持っているはず」と思う方も多いです。一方でライティングやデザイン、プログラミング、コンサルティング、翻訳、マーケティングなど、様々な分野で活動していて、これは特別な資格がなくてもできることがほとんどです。
フリーランスは、提供するサービスに対して報酬を受け取ります。報酬はプロジェクトごと、時間単位、または成果物単位で設定されることが多いです。自分で料金を設定する他、クライアントから打診をもらうこともありますが、決定権は自分にあります。このため短時間で稼げることも多くあるでしょう。
フリーランスは、働く時間や場所についての自由度が高いです。自分のライフスタイルに合わせて仕事のスケジュールを調整することができます。
ここまで聞くと良い働き方だなと思う一方、フリーランスの場合は自分で税金や経理の管理を行う必要があります。フリーランスは、企業からの福利厚生が提供されないため、社会保険(健康保険、年金など)や保険、退職金などは自分で手配しなければなりません。
また契約ごとのため、収入や仕事の安定に疑問が残ります。案件が途切れた場合、次の仕事を見つけるまで収入が不安定になることがあるでしょう。
シングルマザーの私は子育て中にすべての働き方を経験した。その経験から思うことは…
私は介護職の正社員、パート、派遣社員、そしてフリーランスと全ての働き方を子育て中に網羅しました。正社員の醍醐味は、やはり責任ある仕事を任せられること。
これはやりがいにつながるほか、その仕事内容が評価されれば賞与に繋がります。お金だけが全てではないと言っても、やはり嬉しいもので子どもたちと奮発した食事に出かけたりしたものです。
一方でシフトの融通が効かないことや、そう簡単に休めない環境であること、地位があがるにつれて家庭とのバランスが取りにくくなったのも事実です。
パートにおいては自分の希望でシフトを入れられる他、休みも平日にとることができます。もともとは介護職の正社員なので平日休みはあったものの、週4日で働くことは保育園にも入れられるほか、家事をゆっくりすることができるので気に入った働き方ではありました。
平日休みを利用してレジャーに出かけたり、行政の手続きを終わらせられる魅力があったものです。
しかし正社員と変わらない内容の仕事を任されるたびに給与に疑問が残るのも事実。安定している企業ならともかく、社会背景をうけてパートの稼働時間が減らされることもあります。
派遣社員の際も同じような悩みを抱えたことがあります。一方で求人を見なくても、派遣会社の方が希望に近い求人を見つけてくださること、そして要望を聞いてくださることは大変心強く思います。
交通費が出たほか、社会保険にもしっかり加入できたのも嬉しいところ。期限満了を迎える際は、先んじて新しい就労先の打診をしてくれたのも、親切でしたね。
正社員となる前提の紹介予定型派遣というのもあります。この場合は働いてから企業に就職するかどうかを選べるほか、企業にも働きぶりで評価されるので「とりあえず長い目で、いずれ正社員になりたい」というシングルマザーには向いています。
少し変わった経歴ですが、シングルマザーの私は介護職を3年ほど経験した後フリーランスとなっています。フリーランスとなったのは、介護職の時からやっていたライターでの独立が最初でした。
前述しているようにフリーランスは1人で仕事をこなしていくことが楽しい反面、誰かに聞ける、相談相手がいる環境にはありません。一方で調べ物が苦にならないような性格をしている場合は、トライアンドエラーでさまざまなことができるようになります。
考えることが好き、「何があっても絶対に乗りこる」「子どものためにも乗り越えなくちゃいけない」というど根性があるシングルマザーには、まさに向いている働き方と思えます。
時代に合わせて近頃ではフリーランスの仕事を紹介してくれるエージェントやウェブサイトがたくさん出てきました。リスクマネジメントができるのなら、安定した収入ではないものの月収が0になるようなことはありません。
シングルマザーが正社員になるメリット5選
それではシングルマザーが正社員になるメリットについて紹介しましょう。
主なメリットは5つあります。
- 安定した収入が期待できる
- ボーナスや昇給がある
- 勤務先ごとに福利厚生がある
- 期間の定めなく働き続けられる
- 仮に失業した後も安心
それぞれについて解説していきます。
安定した収入が期待できる
安定した収入が期待できます。ここを掘り下げると、その背景には無期雇用であること、就労期間が定められていないこと、雇用保険という軸がそろっていることが挙げられます。
近頃では用意している企業が減ったものの、退職金制度やインセンティブなどを用意しているところもあるので、このような安心感が仕事の意欲向上になるという考えの人には、まさにうってつけでしょう。
ボーナスや昇給がある
ボーナスや昇給の査定や制度がしっかりしていることもメリットです。まとまった収入はやはり嬉しいもの。毎月の収入でカツカツに感じる方も多いのではないでしょうか。賞与があることで、「あと半年は歯を食いしばって頑張ろう」と思えるものです。少なくとも私の場合はそうでした(笑)。
勤務先ごとに福利厚生がある
正社員で何かと重宝するのが福利厚生です。福利厚生をあなどってはいけません。私の場合は、正社員で働いていた場合、社員向けのポータルサイトで自由に福利厚生を使える制度がありました。
これで安く宿泊施設に泊まれたほか、映画も破格で見ることができたのです。勤務先ごとに異なるものの、正社員に対して独自の福利厚生を用意している企業は多くあります。自分にマッチすれば、意外と仕事へのモチベーションもアップしますので必見ですよ。
期間の定めなく働き続けられる
明日仕事がなくなる恐れがないのは、精神上とても安心です。一方で正社員でも近頃は早期自主退職を促すこと、リストラもあります。職を失うことは、正社員にもあるものです。その企業が運転不能となれば、当然ですが倒産もあるでしょう。
しかし、そこはやはり正社員。一般的にはアルバイトやパート、契約社員に派遣社員といった人材からコストカットが入ります。倒産の予兆を察知する期間はこのようにありますし、大きな心配はいらないものです。
仮に失業した後も安心
失業した後も正社員では雇用保険で守られるところが多くあります。失業保険を受け取れるほか、有給も使えるのですぐに無収入になることはないでしょう。
また正社員で長く働いている場合や査定が良かった場合、買収先の会社からまた再就職のオファーがもらえることもあります。
シングルマザーが正社員で働くデメリット3選
シングルマザーが正社員で働くデメリットについて紹介します。
残業などが出てくる可能性も視野に
契約社員、パートタイマーなどの方は先ほどから話しているように賞与がありません。原則、正社員の評価や査定による昇給を待ってからの昇給になります。
なぜそこまで正社員が優遇されるかというと、やはり企業にとっては労働基準法をもとに残業をさせやすい、企業の方針をしっかりトレースしてくれるということがあげられるでしょう。
パートや派遣社員、契約社員にこのようなことを進めるのは無理があります。正社員から責任のある仕事や残業を任されるというのは免れられません。
勤務時間の調整をしにくい
正社員以外の仕事の場合、フルタイムである必要はありません。特にそのような契約を取り交わしてない限り「子どもが入院したので、来月は半分にシフトを減らしてほしい」ということができます。
正社員の場合は、福利厚生でこのような看護休暇などを用意している場合もありますが、原則は有給などでやりくりするか休業という選択肢になります。
一方で自分の傷病が理由になる際は、傷病給付金の対象になることがあります。正社員の恩恵を無駄にしないためにも、あらかじめ調べておく方が良いでしょう。
責任のある仕事を任されて精神的に辛い
私の経験ですが、やはり相談相手がいる、同僚がいても子育てママがいても、立場が上がっていくほどに辛いものです。落ち込んだ表情で家庭に帰ってきてしまった時もあります。
勤務時間の融通が効かないので、子どもの熱などで精神的に疲れている時はまさに地獄。パートタイムだったら「来週のシフト代わってもらえませんか」と相談できますが、私がいないと現場が回らないのです。
この時期充実はしていたものの、どうやって自分の睡眠や食を確保していたのか覚えていません。介護職で年子育児ということもあり、年中無休で誰かのケアをしていたのは覚えており、これは自分を大切にできないことも多々あったと記憶しています。
シングルマザーが正社員でも働ける快適な職場を選ぶポイント
シングルマザーが正社員でも快適に働ける職場を見極めるには、いくつかポイントがあります。
主なポイントは6つあります。
- 必要な収入が得られる
- シングルマザーであることに理解が得られる
- 残業や休日出勤が許していない
- 出社やリモートの比率が自分に合っている
- 風通して良い
- 勤務地が自宅から通いやすい
それぞれのポイントについて解説していきます。
必要な収入が得られる
まずは自分の家がどのくらいの収入があれば一月に賄うことができるのかをしっかりと計算しましょう。正社員の安定を取って、この額面を下回ることがないようにしたいものです。
シングルマザーであることに理解が得られる
シングルマザーであることを盾にすることはいらないにせよ、子どもがいることは伝えておいた方が良いでしょう。この際できる限り、自分の親族や元配偶者と協力する姿勢は見せておくのが無難です。
残業や休日出勤を許していない
正社員といえど、働き方改革でこのような残業や休日出勤を許していない環境も多くあります。子育て世帯とはマッチする環境です。転職エージェントなどを使って調べてみるのをおすすめします。
出社やリモートの比率が自分に合っている
出社頻度がコロナ禍以降、少なくなっている会社も多くあります。通勤時間を削減できれば、正社員であっても子どもを近くで見られる他、やはりプライベートな時間をある程度確保できるしょう。
風通しが良い
職場の雰囲気が昔ながらのトップダウンではないかも重要なポイントです。言われたことを淡々とやっているだけではつまらないもの。罵詈雑言を浴びせられていたら、いつのまにか正社員どころか社会復帰できなくなるほど自分が追い詰められてしまうかもしれません。
勤務地が自宅から通いやすい
子どもの引き取りなどがしやすい立地であること、通いやすいことは何よりもメリットです。電車などの交通機関は、遅延などにより帰りの時刻が読めないことも多々あります。このようなリスクを考え、妥当だと思えるような勤務地にしましょう。
シングルマザーで働くなら知っておきたい3つの制度
シングルマザーで働くなら知っておきたい3つの制度について紹介しましょう。
時短正社員制度
フルタイム勤務の正社員に比べて労働時間を短縮した働き方ができるものです。
一方でこれまで長年働いてくれた社員など、この時短制度を使えるのには条件があることがあります。
この条件を満たしている場合は社員としての地位を維持しながら、勤務時間や業務量を調整できます。
育児や介護、健康上の理由などでフルタイム勤務が難しい社員に対して、柔軟な働き方を提供することを目的としています。結婚を機に仕事を退職していない女性の場合は、チャンスがあるのでぜひ企業に問い合わせてみては。
正社員登用制度
「正社員登用制度」とは、企業が契約社員や派遣社員、アルバイトなどの非正規社員を一定の条件や基準に基づいて、正社員として採用する制度です。
企業は非正規社員が企業の文化や業務に熟知している場合、正社員として即戦力をすぐに登用できるのが魅力になります。さらに社内の人材育成やリーダーシップの安定化が図れます。
意外にも採用にはコストがかかるものです。パートで一定数の努力をしてくれていたり、派遣で優秀な人材がきた際は「正社員として迎え入れたい」と考える企業も多いもの。正社員登用制度があるか聞いてみましょう。
雇用保険・社会保険制度
雇用保険と社会保険は、正社員が受けられる保険制度であり、それぞれ異なる目的と機能を持っています。
主に失業時の生活支援や職業訓練を提供し、再就職を支援することが目的です。失業手当(基本手当)や介護休業給付金、再就職手当などを受けることができます。
社会保険は、健康保険と年金保険の2つが主な構成です。
病院や診療所での治療費の一部を保険が負担するので窓口での負担額が少なくなります。さらにこの社会保険は労働者と企業側で折半となるため、社会保険料がおさえられるメリットがあります。
年金保険は、主にサラリーマンや公務員など、給与を得ている人が対象で、老後に年金を支給します。年金の保険料も労働者と事業主が折半で負担します。また保険料の額は、給与に応じて決まります。国民健康保険より一般的には将来受け取れるリターンが多いのが魅力です。
シングルマザーが正社員で働ける職場を見つける方法
シングルマザーが正社員で働く場所を見つけるための方法を紹介します。
ハローワーク
ハローワークのサービスは無料で提供されており、求人情報の提供や職業相談、職業訓練の情報など、求職者が費用をかけずに利用できます。
ハローワークではママに特化した求人を扱う市町村もあります。パソコンに不慣れなシングルマザーでも、相談員の人が一緒になって求人を探してくれるので、心強く感じるでしょう。
このほか失業保険(雇用保険)の手続きや受給に関するサポートも行っています。申請手続きのサポートや受給資格の確認などが可能です。
資格を取得
まずは就職に役立ちそうな資格を取得しましょう。すでに働いている場合は関係がある資格がおすすめ。やる気を見せつけることができるほか、収入アップにもつながります。このような姿勢をみた上司から正社員の打診があるかもしれません。
知人などの紹介
知人などに「正社員の仕事を探している」と伝えることは思いのほか効果があります。私のママ友も離婚してすぐにこの方法で正社員の事務求人をゲットできました。今やどこの大手企業でも、人手不足です。率先して「仕事がほしい」とアピールしてみましょう。
紹介型の派遣を使う
いきなり正社員の求人に応募するとなると、面談の際に全てのアピールをしなくてはいけません。もともと口下手だったり緊張しやすい性格の人、またシングルマザーで子どもがいることを考えると、難しく感じてしまうものです。
紹介型派遣であれば、実際の働き方をみてから企業も自分も就職を決めることができます。またパートタイムのように「いつ正社員にしてもらえるんだろう」とヤキモキしないのもポイント。多くは決められた期間内に打診があるので、効率良く正社員の仕事を探せます。
パートから働いて正社員を狙う
パートから働いて正社員試験を受けたり、上司に相談して推薦してもらうのもいい案です。
すでに何年も同じ勤務先でパートを頑張っているのなら、とりあえずお話だけでも聞いてみると良いでしょう。
まとめ|シングルマザーの正社員は職場選びがポイント!
シングルマザーとして働く場合、職場選びは大きなポイントになります。適切な職場を選ぶことで、家庭と仕事の両立をスムーズに進めることができるほか収入が安定し、子育てにもいい影響を与えるでしょう。
一方で無理して働くと、仕事も子育ても道半ばになってしまうことがあります。シングルマザーで働くために職場選びはきちんとしたいものです。
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